最近、身近な人からPC選びの相談をされることが増えてきた。「新しいPC買おうと思うんだけど何がいい?」って聞かれて、「Core i7でメモリ16GB以上あれば大丈夫ですよ」って答えていた時代はもう終わりつつある気がしている。2026年のPC事情、少し前と比べるとけっこう変わってきていて、知らないまま買うと「これじゃなかったかも」ってなりかねない。自分なりに調べた内容をまとめてみようと思う。
2026年のPC市場──NPUというキーワードが無視できなくなってきた
2024年頃からMicrosoftが「Copilot+ PC」という規格を打ち出し始めて、Intel・AMD・Qualcommが相次いでNPU(ニューラルプロセッシングユニット)を搭載したチップをリリースした。NPUというのはAI処理に特化した演算ユニットのことで、機械学習モデルの推論処理をCPUやGPUよりも効率よく、低消費電力でこなせる。
2026年現在、ミドルレンジ以上のノートPCならほぼNPU搭載が標準になってきている。リアルタイム翻訳、ビデオ会議の背景ノイズ除去、画像生成の補助、Windows 11のCopilot機能など、NPUがあるかないかで体験が変わる場面が増えてきた。「AIの機能なんて別に使わないから関係ない」という人もいるかもしれないけど、OSのレベルでAI機能が組み込まれてきているので、2〜3年後には「あってよかった」ってなる可能性は高いと思っている。
もうひとつのトレンドはAppleシリコンの成熟。M4チップ(2024年)からM5チップ(2025年末)へと進化したMacは、CPUとGPUとNPUを一体化した設計で、性能あたりの消費電力という点では未だにIntelやAMDが追いつけていない印象がある。「Macは高い」という事実は変わらないけど、「Macの方が実用的に速くて長持ち」という場面は確実に増えていると感じる。
Mac vs Windows──どっちがいいかより、どっちが向いているかを考える
この話題、毎回宗教戦争みたいになりがちなんだけど(笑)、用途別に整理すると意外と答えが出やすい。
Macを選ぶと良いケース
映像編集、音楽制作、デザインといったクリエイティブ系はMacの優位が続いている。Final Cut ProやLogic Proの動作はMac版の方が圧倒的に最適化されているし、Adobe Creative Suiteも概ねMac版の方がスムーズだ。iPhoneやiPadと同じエコシステムで使いたい、ファイル共有をAirDropで手軽にしたい、という人にとってはMacの連携性は他に代えられない。
プログラミングの環境としても、macOSはUnixベースなのでLinuxサーバーとのコマンド体系が近くて、開発ツールの設定でつまりにくいことが多い。特にDockerやPython、Node.jsの環境を作るときはMacの方が楽だという声をよく聞く。
Windowsを選ぶと良いケース
ゲームをするならWindowsしか現実的な選択肢がない。Macでもゲームはできるようになってきているけど、タイトルの豊富さ、DirectX対応、ゲーミングデバイスのドライバーまわりの互換性は全然違う。ゲームが目的の人にMacを勧めるのは正直難しい。
企業の基幹システムや会計ソフト(弥生、freeeのデスクトップ版など)、CADソフトもWindows専用のものが多い。法人利用でIT部門からWindows指定されているケースもほとんどだろう。あと予算の面でWindowsの方が選択肢が広い。5万円台からそこそこ使えるPCが手に入る一方で、MacBook Airの最安モデルが17万円前後するのは事実なので、そこはシンプルに大きな差だと思う。
ゲーミングPC──予算別の現実的な選び方
ゲーミングPCで一番悩むのはGPUの選択だと思うので、2026年時点での状況をざっくり整理してみる。
NVIDIAかAMDか
NVIDIAのGeForceシリーズが圧倒的なシェアを持っていて、RTX 5090/5080が2025年に登場した。NVIDIAのDLSS(AIを使った超解像技術)はゲームのフレームレートを大幅に向上させてくれて、AMDのFSRより品質が高いと評価する人が多い印象がある。動画エンコードやAI処理との兼用にも強い。AMDのRadeon RXシリーズは同性能帯だと2〜3万円安いことが多くて、コスパを重視するなら選択肢に入る。ゲームタイトルによってはNVIDIAに最適化されているものもあるので、よく遊ぶゲームを確認してみるといいかもしれない。
予算別の目安
15万円以下のエントリー帯では、RTX 4060搭載の完成品PCが射程内に入る。フルHD(1920×1080)で多くのゲームを高設定で動かせるレベルなので、「とりあえずゲームしたい」という入り口としては十分だと思う。20〜30万円のミドルレンジはRTX 4070 Super〜RTX 5070が狙えて、WQHD(2560×1440)での快適なプレイが視野に入る。個人的にはここがコスパの主戦場という感覚がある。40万円以上のハイエンドはRTX 5080/5090で、4K高フレームレートや3Dレンダリングとの兼用を考えている人向け。純粋なゲームプレイ目的だと少し過剰になりやすい価格帯だと思う。
ビジネス用PC──スペックより信頼性と長期運用を考える
ビジネス用途のPCを選ぶとき、「スペック表を見て高そうなものを選ぶ」という基準はあまり良くないかなと思っている。重視すべきは耐久性、保守のしやすさ、セキュリティの三点だ。
ThinkPad(Lenovo)はビジネスPCの定番で、キーボードの打鍵感と耐久性が今も高く評価されている。ThinkPad X1 CarbonやT14sは、法人向けの最もオーソドックスな選択肢のひとつで、指紋認証や顔認証、TPMによるセキュリティなどビジネスで必要な機能を一通り備えている。価格は20〜30万円台が中心だけど、法人契約では割引が効きやすい。
Microsoft Surface Pro(第11世代以降)はタブレットとしても使えるWindowsで、Qualcomm Snapdragonを搭載したARM版はバッテリーの持ちが長くて軽い。外出が多い人や会議でプレゼンをよくする人に向いている。ただし一部のWindowsアプリでARM互換の問題が出ることがあるので、使うソフトが対応しているか確認した方が安心だ。MacBook Pro(M4 Pro/Max)は高負荷の作業をする専門職向けで、動画編集やプログラミング、研究など長時間のヘビーな作業では電力効率の良さが活きてくる。30〜50万円という価格帯はなかなか気軽とはいかないけど、それに見合う用途があれば検討に値すると思う。
「高スペック信仰」について少し考えてみた
PCを買うとき「せっかく買うなら高い方がいい」って思いがちなの、自分も覚えがある。でも使ってみると、必要だったスペックが全体の半分くらいだった、みたいなことも割と起きる。使わない余裕のために払うお金は、他のことに使えたはずのお金だ。
一般的なビジネス用途(ブラウザ、Office、Zoom)なら、Core i5、メモリ16GB、SSD 512GBで十分すぎるくらいだと思う。そこに使わないGPU性能を足しても体験はほぼ変わらない。「3年後の自分がどんな作業をしているか」を想像して、そのときに十分なスペックを選ぶのが、たぶん一番合理的な基準だと思う。2026年のPC市場は選択肢が豊富な分、「何のために使うか」を最初に決めておかないと迷子になりやすい。そこだけ明確にしておけば、答えは意外とすんなり出てくるんじゃないかな。
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