高校基礎 / 化学と人間生活 2 / 6

物質と物体・純物質と混合物

物質と物体・純物質と混合物

化学では「物質」と「物体」を厳密に区別します。さらに物質は純物質混合物に分けて整理します。

基本知識

物質はガラス・水・鉄などの素材そのものを指し、物体はコップ・ボトル・スプーンなどの形をもった具体物を指します。
物質は組成の観点から、ただ1種類の成分からなる純物質と、2種類以上の純物質が混じった混合物に分けられます。さらに純物質は、1種類の元素からなる単体(O2、Fe、Cu)と、2種類以上の元素が化学結合した化合物(H2O、CO2、NaCl)に分かれます。
身の回りの物質はほとんどが混合物です。たとえば空気(N2、O2、Arなど)、海水(水と塩類)、石油(炭化水素の混合)が典型例です。

📘 重要用語
物質(物体を構成する素材そのもの。ガラス、鉄、水など)
物体(具体的な形を持ったもの。コップ、釘など)
純物質(1種類の物質からなる。水、塩化ナトリウムなど)
混合物(複数の物質が混じったもの。空気、海水、石油)
単体(1種類の元素からなる純物質。O2、N2、Fe)
化合物(2種類以上の元素が結合した純物質。H2O、CO2

深掘り (背景・意義)

純物質には固有の物性があります。たとえば水(H2O)は1気圧下で融点0℃、沸点100℃と決まっていますが、海水のような混合物では融点・沸点は明確に定まりません(沸点上昇・凝固点降下が起こります)。
混合物を構成する純物質に分けることを分離といい、ろ過・蒸留・再結晶・抽出・クロマトグラフィー・分留などが代表的な方法です。たとえば原油を温度差で分ける分留はガソリン・灯油・軽油を取り出すのに使われ、海水から塩を取り出すには蒸発乾固が用いられます。混合物の理解は化学の出発点で、すべての分析操作の土台になります。

💡 ポイント
  • 物質≠物体(素材と形のあるものの違い)
  • 純物質=1種類の物質、混合物=複数
  • 純物質=単体 + 化合物
  • 単体は元素1種(O2、Fe)、化合物は元素2種以上(H2O)
  • 純物質には固有の融点・沸点がある
  • 混合物の例=空気・海水・石油・牛乳・合金
  • 分離の方法=ろ過・蒸留・抽出・再結晶など

注意点 (混同しやすい)

単体(元素1種)と元素(物質を構成する基本成分の概念)は別。「酸素」が単体か元素かは文脈で判断する。② 化合物混合物は全く違う。化合物は化学結合で結ばれた1つの物質、混合物は物理的に混ざっただけ。③ 空気は混合物(N2、O2、Arなど)、は化合物(H2O)。④ 合金(ステンレス、青銅、しんちゅう)は金属同士の混合物として扱う。

練習

  1. 水(H2O)は単体・化合物・混合物のうちどれか。
  2. 空気は単体・化合物・混合物のうちどれか。
  3. 純物質と混合物の最も大きな違いを物性の観点から述べなさい。

このレッスンのQ&A

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