酸と塩基の定義 (アレニウス・ブレンステッド)
酸と塩基は「すっぱい・苦い」だけでなく、化学的にきちんと定義された概念です。歴史的にいくつかの定義があります。
基本知識
代表的な2つの定義があります。
① アレニウスの定義: 水に溶けて水素イオン H+ (オキソニウムイオン H3O+) を出す物質を酸、水酸化物イオン OH- を出す物質を塩基と定義します。
例: HCl → H+ + Cl-, NaOH → Na+ + OH-
② ブレンステッド・ローリーの定義: H+ を与える物質が酸、受け取る物質が塩基。水に限らず適用できる広い定義です。
例: NH3 + H2O → NH4+ + OH- では H2O が H+ を与えるので酸、NH3 が受け取るので塩基です。
📘 重要用語
アレニウスの定義(H+を出す=酸、OH-を出す=塩基。水溶液限定)
ブレンステッド・ローリーの定義(H+を与える=酸、受け取る=塩基)
オキソニウムイオン(H3O+。H+ は実際は水分子と結合してこの形)
酸の性質(酸味、青リトマス→赤、金属と反応してH2を発生)
塩基の性質(苦味、ぬるぬる、赤リトマス→青)
アレニウスの定義(H+を出す=酸、OH-を出す=塩基。水溶液限定)
ブレンステッド・ローリーの定義(H+を与える=酸、受け取る=塩基)
オキソニウムイオン(H3O+。H+ は実際は水分子と結合してこの形)
酸の性質(酸味、青リトマス→赤、金属と反応してH2を発生)
塩基の性質(苦味、ぬるぬる、赤リトマス→青)
深掘り (背景・意義)
アレニウスは19世紀末に水溶液中の電離を理論化し、酸・塩基の最初の科学的定義を与えました。しかしこの定義は水溶液に限定されます。
ブレンステッド・ローリーの定義はより広く、気相や非水溶媒でも酸塩基反応を扱えます。たとえば NH3 + HCl → NH4Cl のように水を含まない反応でも、HCl が酸、NH3 が塩基として機能していることが理解できます。
水自体も「酸にも塩基にもなる」(両性物質)という事実は、ブレンステッドの定義で初めてすっきり説明できます。
💡 ポイント
- アレニウス: H+を出す/OH-を出す (水溶液限定)
- ブレンステッド: H+の授受で定義 (広い)
- H+ ≒ H3O+ (オキソニウムイオン)
- HCl, H2SO4, CH3COOH は酸
- NaOH, Ca(OH)2, NH3 は塩基
- 水は酸にも塩基にもなれる(両性)
- NH3 は OH を持たないがブレンステッドでは塩基
注意点 (混同しやすい)
① NH3 は塩基であって酸ではない。OH を持たなくても H+ を受け取る。② アレニウスは水溶液限定、ブレンステッドは一般的。③ H+ と H3O+ は実質同じものと考えてよい。④ アルカリ = 水に溶けやすい塩基。塩基 ⊇ アルカリ。
練習
- アレニウスの定義による酸と塩基をそれぞれ答えなさい。
NH3 + H2O → NH4+ + OH-でブレンステッドの酸はどちらか。- 水が「両性」と言われる理由を簡潔に説明しなさい。