生態系と食物連鎖
森や湖など、生物とそれを取り巻く環境のまとまりを生態系といいます。生物どうしは「食う・食われる」の関係でつながっています。
基本知識
生態系: ある場所の生物と無機的環境(光・空気・水・土)をひとつのまとまりとして見たもの。
食物連鎖: 生物が「食う・食われる」の関係で1本の鎖のようにつながること。例:
植物 → バッタ → カエル → ヘビ → ワシ
植物プランクトン → 動物プランクトン → 小魚 → 大魚 → 鳥
実際には1本ではなく、多くの種類が複雑に絡む食物網を形作っています。
生物の役割による分類:
① 生産者: 光合成で自ら栄養を作る生物(植物・植物プランクトン)。
② 消費者: 他の生物を食べて栄養を得る生物(動物)。
・一次消費者(草食動物)、二次消費者(肉食動物)、三次消費者...
③ 分解者: 動植物の死がいや排出物を分解する生物(菌類・細菌類)。次回詳しく。
個体数のピラミッド: 食物連鎖の上位ほど個体数が少なくなる(植物多→草食中→肉食少)。
生態系(生物とそれを取り巻く環境のまとまり)
食物連鎖(生物の食う・食われるの直線的関係)
食物網(食物連鎖が複雑にからみ合った網状の関係)
生産者(光合成で有機物をつくる生物。植物・藻類)
消費者(他の生物を食べて栄養を得る生物。動物)
生態ピラミッド(食物連鎖の段階ごとに個体数や量を積んだ図)
深掘り (背景・意義)
食物連鎖が安定しているとき、それぞれの生物の個体数はある範囲でつり合いを保ちます。
たとえば草食動物が増えると、植物が減って草食動物のエサが不足し草食動物が減り、すると植物が回復する──このような負のフィードバックでバランスが保たれます。
しかし外来種の持ち込みや環境変化でこのバランスが崩れることがあります。たとえば日本にブラックバスが放されたために在来魚が激減したり、奄美のマングースがアマミノクロウサギを襲ったりした例が知られています。
食物連鎖の上位の動物ほど、体内に有害物質を蓄積しやすい現象を生物濃縮といいます。海洋プラスチック、農薬DDT、水銀などが上位の魚や鳥、最終的にヒトに濃縮して健康被害を引き起こすことがあります。
- 生態系=生物+無機的環境
- 食物連鎖=食う食われる、食物網=網状
- 生産者(植物)→一次消費者(草食)→二次消費者(肉食)
- 上位ほど個体数が少ない(ピラミッド型)
- つり合いは負のフィードバックで維持
- 外来種でバランスが崩れる
- 生物濃縮=上位ほど有害物質が蓄積
注意点 (混同しやすい)
① 食物連鎖(直線)と食物網(網状)を区別。実際は食物網。② 生産者は植物のみ(光合成する生物)。動物は消費者。③ 食物連鎖は植物から始まる(エサの矢印は「食べる方→食べられる方」ではなく「食べられる方→食べる方」と書くことが多い)。④ 生物濃縮と「個体数のつり合い」は別概念。
練習
- 生態系を構成する要素を2つ挙げなさい。
- 食物連鎖において、植物のような光合成をする生物の役割を何というか。
- 食物連鎖の上位の動物ほど、有害物質を体内に蓄積しやすい現象を何というか。