高校基礎 / 免疫 2 / 6

獲得免疫① 体液性免疫と抗体

獲得免疫① 体液性免疫と抗体

自然免疫で対処できない病原体には、特定の相手に特化した獲得免疫(適応免疫)が働きます。その一つが体液性免疫で、抗体が主役です。

基本知識

獲得免疫の中心はリンパ球のB細胞T細胞です。骨髄(bone marrow)で生まれたリンパ球のうち、B細胞は骨髄で、T細胞は胸腺(thymus)で成熟します。
体液性免疫の流れ:
① 樹状細胞が病原体を取り込み、リンパ節でヘルパーT細胞抗原提示する。
② ヘルパーT細胞が活性化し、対応するB細胞を増殖・分化させる。
③ B細胞は形質細胞(プラズマ細胞)に分化し、大量の抗体(免疫グロブリン)を産生・放出する。
④ 抗体が抗原に結合し抗原抗体反応を起こすことで、病原体を無毒化(中和)したり食細胞に食べられやすくしたり(オプソニン化)する。
抗体はY字型のタンパク質で、先端の可変部が抗原に特異的に結合します。

📘 重要用語
獲得免疫(特定の抗原に特異的に対応する免疫。リンパ球が担う)
抗原(免疫反応を引き起こす異物。病原体・タンパク質など)
B細胞(骨髄で成熟する。抗体産生細胞へ分化)
ヘルパーT細胞(胸腺で成熟。B細胞や他のT細胞を活性化)
抗体(免疫グロブリン)(Y字型タンパク質。可変部で抗原に結合)
抗原抗体反応(抗原と抗体が特異的に結合する反応)
形質細胞(活性化B細胞が分化した抗体産生細胞)

深掘り

抗体は無限のバリエーションを生み出せる驚異の分子です。可変部の遺伝子は遺伝子再構成(V-D-J再構成)によって組み合わされ、1人あたり10億種類以上もの異なる抗体を作れるとされます。この発見でMITの利根川進は1987年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。
抗体の働きは「結合する」だけでなく多様です: ①病原体の感染力を奪う中和、②食細胞に食べられやすくするオプソニン化、③複数の抗体・補体が連結して病原体を集合させる凝集、などです。これらが連動して病原体を排除します。

💡 ポイント
  • 獲得免疫の主役=B細胞・T細胞(リンパ球)
  • B細胞=骨髄で成熟、T細胞=胸腺で成熟
  • 体液性免疫=抗体による免疫
  • 抗体=免疫グロブリン(Y字型タンパク質)
  • 樹状細胞の抗原提示→ヘルパーT→B細胞活性化
  • 形質細胞が大量の抗体を産生
  • 抗原抗体反応で病原体を中和・凝集・オプソニン化

注意点

抗原(異物そのもの)と抗体(抗原に結合するタンパク質)を絶対に混同しない。② B細胞の「B」はBone marrow(骨髄)、T細胞の「T」はThymus(胸腺)由来。③ 抗体を作るのはB細胞そのものではなく、分化した形質細胞。④ 体液性免疫は液性成分(抗体)による免疫、次に学ぶ細胞性免疫はT細胞自身が攻撃する免疫で別物。

練習

  1. 抗体を産生する細胞は、B細胞が分化した何細胞か。
  2. T細胞が成熟する器官はどこか。
  3. 抗体のY字構造のうち、抗原に結合する部分を何と呼ぶか。

このレッスンのQ&A

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