中学 / 電気と磁気 1 / 6

磁石と磁界

磁石と磁界

磁石は古くから人々を魅了してきました。鉄を引きつける見えない力「磁界」を目に見える形で表現します。

基本知識

磁石にはN極S極があります。
同じ極(NとN、SとS)は反発する
違う極(NとS)は引き合う
磁石の周りには磁力がはたらく空間=磁界(磁場)があり、その向きは方位磁針のN極が指す向きとして定義されます。
磁力線を使うと磁界を可視化できます。磁力線のルール:
N極から出てS極に入る
密なところほど磁力が強い
磁力線は交わらない
地球も巨大な磁石で、北極側がS極、南極側がN極になっています(方位磁針のN極が北を指す理由)。

📘 重要用語
磁界(磁場)(磁力がはたらく空間)
磁力線(磁界の向きと強さを表す仮想の線。N→S)
N極・S極(磁石の両端。同極反発、異極引き合う)
強磁性体(磁石に強く引きつけられる物質。鉄・ニッケル・コバルト)
磁化(磁石にこすると鉄釘などが一時的に磁石になる現象)
地磁気(地球が持つ磁場。北極側がS極、南極側がN極)

深掘り (背景・意義)

磁石の正体は、原子レベルでは電子の運動です。電子は原子核の周りを回る運動と自転(スピン)をしており、これが極小の電流ループとして磁力を生み出します。多くの物質では電子のスピンの向きがバラバラで打ち消し合っていますが、鉄・ニッケル・コバルトでは電子のスピンが揃いやすく、強い磁性を示します。
方位磁針は紀元前から中国で使われ、航海術を変えた発明の1つです。地磁気は太陽風から地球を守るバリアでもあり、地球生命圏の維持に不可欠です。
磁石を高温に加熱したり強い衝撃を与えると、整列していた磁性が乱れて磁力を失います(キュリー点)。鉄のキュリー点は約770℃です。
磁石は冷蔵庫のドア、クレジットカードの磁気ストライプ、ハードディスク、リニアモーターカー、MRI(磁気共鳴画像装置)など多分野で活躍しています。

💡 ポイント
  • 磁石はN極とS極を持つ
  • 同極反発、異極引き合う
  • 磁界の向き = N極が指す向き
  • 磁力線: N → S、交わらない、密なほど強い
  • 地球の北極側はS極(N極が北を向くから)
  • 強磁性体: 鉄・ニッケル・コバルト
  • 磁石の正体は電子のスピン

注意点 (混同しやすい)

① 地球の北極側はS極(方位磁針のN極が引かれるから)。直感と逆なので注意。② 磁界の向きはN極が指す向きで定義されるので、磁力線もN→S。③ 磁石を割っても必ずN極とS極が両方残る(磁気単極は今のところ自然界に発見されていない)。④ 金属でもアルミニウム・銅・金は磁石にくっつかない(強磁性体ではない)。

練習

  1. 磁界の向きはどのように定義されているか。
  2. 磁力線はどの極からどの極へ向かうか。
  3. 強磁性体の例を1つ挙げなさい。

このレッスンのQ&A

読み込み中...