中学 / 電気と磁気 2 / 6

電流のまわりにできる磁界

電流のまわりにできる磁界

1820年、エルステッドは電流のまわりに磁界ができる現象を偶然発見しました。電気と磁気の深い関係の始まりです。

基本知識

導線に電流を流すと、その周りに同心円状の磁界が発生します。これを電流の磁気作用と呼びます。
磁界の向きは右手のねじの法則(右ねじの法則)で覚えます: 「電流の向きにねじを進めるとき、ねじの回転方向が磁界の向き」。
あるいは右手で導線を握り、親指を電流の向きに、残りの指の向きが磁界の向きと覚える方法もあります。
導線をコイルに巻くと、コイル内部で磁界が強められて棒磁石のような磁界になります。これを電磁石と呼びます。
電磁石を強くする方法:
① 電流を大きくする
② コイルの巻き数を増やす
③ 鉄心(鉄芯)を入れる

📘 重要用語
電流の磁気作用(電流のまわりに磁界が生じる現象。エルステッド発見)
右ねじの法則(電流と磁界の向きを関連付ける法則)
電磁石(電流で磁石になる装置。コイル+鉄心)
ソレノイド(細長く密に巻いたコイル。内部は一様な磁界)
鉄心(電磁石の中心に入れる鉄。磁界を強める)
エルステッド(1820年、電流の磁気作用を発見したデンマークの科学者)

深掘り (背景・意義)

エルステッドの発見は科学史の転換点でした。それまで電気と磁気は別の現象と考えられていましたが、この発見後、電磁気学が一つの学問として急速に発展しました。マクスウェルが1864年に電磁波の存在を予言し、これが現代の電波通信(ラジオ・テレビ・スマホ)の理論的基礎になります。
電磁石はスイッチで磁力をON/OFFできるのが永久磁石にはない強みです。応用例:
クレーン: 鉄くずを吊り上げ、目的地で電源を切って落とす
ベル・ブザー: 電磁石が鉄片を引いて音を出す
リレー(継電器): 小電流で大電流のスイッチを動かす
MRI: 超伝導電磁石で強い磁場を作る
リニアモーターカー: 強力な電磁石で浮上・推進
右手の法則は、左右や向きを覚える際にミスしやすいので、図を描いて確実に覚えるのが効果的です。

💡 ポイント
  • 電流の周りに同心円状の磁界(エルステッド1820年)
  • 右ねじの法則で磁界の向きを判定
  • コイル + 電流 = 電磁石
  • 電磁石を強める: 電流大、巻き数多、鉄心入れる
  • 電磁石はスイッチでON/OFFできる
  • 応用: クレーン、ベル、リレー、MRI、リニア
  • マクスウェルが電磁波を理論予言(1864年)

注意点 (混同しやすい)

右ねじの法則は電流と磁界の関係。混乱したら右手で握って考える。② 電磁石は電流を流している間だけ磁石。電源を切れば磁力消失(クレーンで使う理由)。③ 鉄心は必須ではないが、入れると数百倍磁力が強まる。④ 磁界の強さ磁束密度は厳密には別概念だが、中学では「磁界の強さ」で統一。

練習

  1. 電流のまわりにできる磁界の向きを判定する法則を答えなさい。
  2. 電磁石を強くする方法を1つ挙げなさい。
  3. 電磁石が永久磁石にない強みは何か。

このレッスンのQ&A

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