直流と交流・電気の利用
家庭で使う電気には大きく2種類あります。それぞれの特徴と、家庭・産業での電気の利用を学びましょう。
基本知識
直流 (DC: Direct Current): 一定の向きと大きさの電流。乾電池、バッテリー、太陽電池、USB機器。
交流 (AC: Alternating Current): 向きと大きさが周期的に変わる電流。家庭のコンセント、発電所からの送電。
交流の周波数: 1秒間に何回向きが変わるかを Hz で表す。日本では東日本50Hz・西日本60Hz。
家庭の電圧:
・日本: 100V(一般家庭)、200V(エアコン・IH)
・アメリカ: 120V、ヨーロッパ: 230V前後
これらを変えるのが変圧器(トランス)で、コイルの巻き数比で電圧を上げ下げできます: V₁ / V₂ = N₁ / N₂
直流 (DC)(向きが一定の電流。電池・バッテリー)
交流 (AC)(向きが周期的に変わる電流。コンセント)
周波数(1秒あたりの交流の振動回数。Hz)
変圧器(トランス)(電磁誘導で交流の電圧を変換する装置)
整流(交流を直流に変えること。ダイオードを使う)
アダプター(コンセントから電子機器用に電圧を変える装置。整流も行う)
深掘り (背景・意義)
19世紀末、エジソンは直流送電を、テスラとウェスチングハウスは交流送電を推進し「電流戦争」が起きました。最終的に交流が勝ちました。理由は変圧器で電圧を簡単に変えられ、長距離送電で I²R 損失を抑えられるからです。
21世紀になると、太陽光発電やバッテリー、EV(電気自動車)、データセンターなどで直流の重要性が再評価されています。直流送電技術(HVDC: High Voltage Direct Current)も発達し、北海・中国の長距離送電に使われています。
家庭で使う電気の流れ:
発電所(交流) → 高電圧で送電 → 変電所で順次降圧 → 家庭(100V交流) → ACアダプターで整流 → スマホ・PC(直流)
このため直流と交流は両方とも欠かせないのが現代社会です。
無効電力・有効電力、力率、3相交流、リアクタンスなどの高校範囲も将来必要になります。中学では基本概念を確実に。
- 直流(DC): 一定。電池・バッテリー
- 交流(AC): 周期変動。コンセント・送電
- 日本の周波数: 東50Hz、西60Hz
- 家庭電圧: 日本100V、米120V、欧230V前後
- 変圧器は交流のみに有効
- 送電は高電圧 = 損失減少 ( I²R )
- 整流: 交流 → 直流(ダイオード使用)
注意点 (混同しやすい)
① 変圧器は交流専用。直流では電磁誘導が起きず使えない。② 50Hzと60Hzの違いを意識。一部の家電(電子レンジ等)は周波数の異なる地域で使うと壊れることも。③ コンセントから出る100Vは実効値で、瞬間最大値は約141V(√2倍)。④ 感電の危険は電圧より電流と体内の経路で決まる。心臓を通ると非常に危険。
練習
- 家庭のコンセントから出る電気は直流と交流のどちらか。
- 東日本の交流の周波数は何 Hz か。
- 変圧器が直流では使えない理由を簡潔に答えなさい。