高校基礎 / 生物の特徴と多様性 2 / 6

細胞の構造 原核細胞と真核細胞

細胞の構造 原核細胞と真核細胞

生物の基本単位である細胞には大きく2種類あります。原核細胞(細菌・古細菌)と真核細胞(動物・植物・菌類・原生生物)です。構造の違いを正確に理解しましょう。

基本知識

原核細胞: 核膜をもたない細胞。DNAが細胞質中に裸でぼんやり存在する領域を核様体と呼ぶ。ミトコンドリア・葉緑体などの膜系細胞小器官をもたない。サイズは約1〜10 μmで小さい。例: 大腸菌・乳酸菌・シアノバクテリア・古細菌。
真核細胞: 核膜に囲まれたをもつ細胞。さまざまな膜系細胞小器官を備える。サイズは約10〜100 μm。例: 動物・植物・菌類・原生生物。
真核細胞の主な細胞小器官:
(DNAを含み遺伝情報を保管)
ミトコンドリア(呼吸でATPを生産)
葉緑体(植物のみ。光合成)
小胞体(タンパク質・脂質の合成・輸送)
ゴルジ体(分泌物の加工・分泌)
リソソーム(分解酵素を含む)
液胞(植物で大きく発達。物質貯蔵)
細胞膜(リン脂質二重層+タンパク質)
細胞壁(植物=セルロース、菌類=キチン、細菌=ペプチドグリカン)

📘 重要用語
原核細胞(核膜なし・細胞小器官少ない。細菌・古細菌)
真核細胞(核膜あり・各種細胞小器官あり。動植物・菌類)
(DNAを保管。核膜・核小体を含む)
ミトコンドリア(呼吸の場・ATP生産・独自DNAあり)
葉緑体(光合成の場・クロロフィル・独自DNAあり)
細胞膜(リン脂質二重層+膜タンパク質。流動モザイクモデル)
細胞壁(植物=セルロース、菌類=キチン、細菌=ペプチドグリカン)

深掘り

真核細胞のミトコンドリア葉緑体は、独自の環状DNAと独自のリボソームをもち、二重膜で囲まれています。これは原核細胞の特徴と同じであり、約20億年前に原核細胞が別の細胞に取り込まれて共生関係になったとする細胞内共生説(リン・マーグリス)の根拠となっています。ミトコンドリアの祖先は好気性細菌(αプロテオバクテリア)、葉緑体の祖先はシアノバクテリアと考えられています。
細胞膜のリン脂質二重層は、親水性の頭部(リン酸基)が外側、疎水性の尾部(炭化水素鎖)が内側に配置される構造です。これは水に溶けない脂質と水を分ける究極の界面で、化学的にきわめて合理的な配置です。膜には膜タンパク質が浮かんでおり、物質の選択的輸送や情報伝達を担います(流動モザイクモデル)。
細胞壁の主成分は分類群で異なります: 植物=セルロース(β-1,4-グルコース重合体)、菌類=キチン(N-アセチルグルコサミン重合体)、細菌=ペプチドグリカン(糖+ペプチド)。これらは多糖類の構造として化学的にもよく研究されています。

💡 ポイント
  • 原核細胞=核膜なし、真核細胞=核膜あり
  • 原核生物=細菌・古細菌
  • 真核細胞=核・ミトコンドリア・小胞体・ゴルジ体など
  • 植物細胞=葉緑体+液胞+細胞壁(セルロース)
  • 動物細胞=葉緑体・液胞・細胞壁なし
  • 細胞内共生説=ミトコンドリアと葉緑体の起源
  • 細胞膜=リン脂質二重層+タンパク質

注意点

原核細胞核がないのではなく核膜がない。DNAは存在する。② ミトコンドリアは動植物両方にあるが、葉緑体は植物のみ。動物細胞の図に葉緑体は描かない。③ 液胞は植物で大きく発達、動物では小さいかほぼない。④ 細胞壁の組成は分類群で異なる(植物=セルロース、菌類=キチン、細菌=ペプチドグリカン)。動物細胞には細胞壁がない。

練習

  1. 核膜をもたない細胞を何細胞というか。
  2. ミトコンドリアと葉緑体の起源を説明する学説は何か。
  3. 植物の細胞壁の主成分は何か。

このレッスンのQ&A

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