高校発展 / 物質の状態(気体・液体・固体) 3 / 6

結晶と固体の構造

結晶と固体の構造

固体は原子・イオン・分子が規則正しく配列した結晶と、無秩序な非晶質(アモルファス)に大別されます。結晶構造の理解は材料科学の基礎です。

基本知識

結晶は構成粒子と結合の種類で4つに分類されます。
イオン結晶: NaCl型, CsCl型, ZnS型 — 硬く高融点・水溶性
分子結晶: I2, ドライアイス(CO2), ナフタレン — 軟らかく低融点・昇華性
共有結合結晶: ダイヤモンド, 黒鉛, SiO2 — 極めて硬く超高融点
金属結晶: Fe, Cu, Al — 電気・熱伝導性、展性・延性
金属結晶の代表構造は体心立方格子(bcc)(配位数8, 充填率68%)、面心立方格子(fcc)(配位数12, 充填率74%)、六方最密構造(hcp)(配位数12, 充填率74%)。

📘 重要用語・公式
単位格子(結晶を構成する最小の繰り返し単位)
配位数(一つの粒子に最近接する粒子の数)
充填率(単位格子の体積に対する原子の体積比)
体心立方(bcc)(Fe(α), Na, K — 配位数8, 充填率68%)
面心立方(fcc)(Cu, Al, Ag, Au — 配位数12, 充填率74%)
六方最密(hcp)(Mg, Zn, Co — 配位数12, 充填率74%)
密度の計算(ρ = (n·M)/(NA·V) )

深掘り (原理・応用)

NaCl型構造は Cl- の fcc 配列の八面体隙間にすべて Na+ が入る形で、配位数は陽イオン陰イオンとも6です。CsCl型は単純立方の中心にもう一方が入り、配位数8。ZnS型は四面体隙間に陽イオンが入り、配位数4。
ダイヤモンドはsp3共有結合の正四面体ネットワーク、黒鉛はsp2の平面シートが弱いπスタッキングで重なる構造で、両者は同素体です。半導体(Si)はダイヤモンド型構造を持ち、不純物のドーピングで電気特性を制御します。

💡 ポイント
  • 結晶の4分類=イオン・分子・共有結合・金属
  • bcc: 単位格子に原子2個、対角線4r=√3a
  • fcc: 単位格子に原子4個、面対角4r=√2a
  • hcp と fcc の充填率はともに74%(最密)
  • NaCl型は陰陽とも配位数6
  • ダイヤと黒鉛は炭素の同素体
  • 密度 ρ = nM/(NAV) で結晶構造を判定

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 単位格子に含まれる原子数: 体心は2、面心は4(角1/8×8 + 面1/2×6)。② 配位数充填率は別概念。③ ダイヤモンドは絶縁体、黒鉛は電気を通す(π電子が動くため)。④ 単純立方は充填率52%で実在金属はほぼなし(Po のみ)。

練習

  1. 面心立方格子の単位格子内に含まれる原子数を答えよ。
  2. 銅(Cu, fcc, 原子半径 1.28×10-8 cm, 原子量 63.5)の密度を求めよ。
  3. ダイヤモンドと黒鉛で電気伝導性が異なる理由を構造から説明せよ。
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このレッスンのQ&A

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