蒸気圧と液体の性質
液体は分子間力で集合しつつ、表面から絶えず分子が飛び出しています。気液平衡で生じる圧力が蒸気圧です。
基本知識
密閉容器内で液体と気体が共存するとき、気相に達する分子数と液相に戻る分子数が等しくなり気液平衡に達します。このときの蒸気の圧力が飽和蒸気圧です。蒸気圧は温度のみに依存し、容器体積や液量には依らないのが重要なポイントです。
蒸気圧が外圧と等しくなる温度が沸点です。標準大気圧(1.013×105 Pa)で水の沸点は100℃、エタノールは78.3℃。富士山頂など気圧の低い場所では沸点が下がります。
📘 重要用語・公式
飽和蒸気圧(気液平衡時の蒸気の圧力。温度のみに依存)
沸点(蒸気圧=外圧となる温度)
蒸発熱・凝縮熱(液体↔気体の状態変化に伴う熱)
クラウジウス・クラペイロン式(ln P = -ΔHvap/RT + C)
表面張力(液体表面が縮もうとする力。N/m)
粘性(流れにくさ。分子間力が強いほど大)
飽和蒸気圧(気液平衡時の蒸気の圧力。温度のみに依存)
沸点(蒸気圧=外圧となる温度)
蒸発熱・凝縮熱(液体↔気体の状態変化に伴う熱)
クラウジウス・クラペイロン式(ln P = -ΔHvap/RT + C)
表面張力(液体表面が縮もうとする力。N/m)
粘性(流れにくさ。分子間力が強いほど大)
深掘り (原理・応用)
蒸気圧曲線は温度上昇とともに指数的に増加します。水とエタノールを比較すると、エタノールは水素結合が弱く分子間力も水より小さいため、同じ温度で蒸気圧が高くなります。
圧力鍋は密閉して内部圧力を上げることで水の沸点を120℃前後まで上昇させ、調理時間を短縮します。逆に減圧蒸留は、高温で分解しやすい有機物を低温で蒸発させる工業技術です。蒸気圧降下は溶液の束一的性質として講座2で扱います。
💡 ポイント
- 飽和蒸気圧は温度のみで決まる
- 蒸気圧=外圧 ⇒ 沸騰
- 沸点が高い ⇔ 分子間力が強い
- 水素結合のある物質(H2O, NH3, HF)は沸点が異常に高い
- 圧力鍋=高圧⇒沸点上昇
- 減圧蒸留=低圧⇒低温で蒸留
- 蒸発熱は H2O が特に大きい(40.7 kJ/mol)
注意点 (混同しやすい・頻出ミス)
① 蒸気圧は容器体積に無関係。圧縮しても飽和なら一定。② 蒸発は表面から、沸騰は内部からも気化。③ 容器内の気体量が蒸気圧の値を超えない範囲では液体は残らず、すべて気体になる。④ 沸点 = 1 atm 下の温度というのは標準的な定義。
練習
- 27℃の密閉容器(1.0 L)に水を入れたとき、容器内の水蒸気の分圧は何 Pa か(27℃の飽和蒸気圧 3.6×103 Pa)。
- 富士山頂(気圧 6.4×104 Pa)で水が沸騰する温度は約何℃か。
- 水とエタノール、同温で蒸気圧が高いのはどちらか。理由とともに答えよ。