高校発展 / 溶液 3 / 6

希薄溶液の束一的性質

希薄溶液の束一的性質

溶質粒子の種類に依らず粒子数だけで決まる溶液の性質を束一的性質といいます。蒸気圧降下・沸点上昇・凝固点降下・浸透圧の4つです。

基本知識

① 蒸気圧降下(ラウールの法則): ΔP = P0·x溶質
② 沸点上昇: ΔTb = Kb·m
③ 凝固点降下: ΔTf = Kf·m
④ 浸透圧(ファントホッフ): π = cRT (πV=nRT)
水のKb=0.52、Kf=1.86 K·kg/mol。電解質はファントホッフ係数 iを掛けます: NaCl→i≈2, CaCl2→i≈3。

📘 重要公式
ラウールの法則(ΔP = P0·x溶質
沸点上昇(ΔTb = i·Kb·m)
凝固点降下(ΔTf = i·Kf·m)
浸透圧(π = i·cRT、πV = nRT)
ファントホッフ係数 i(電解質では1より大)
半透膜(溶媒のみを通す膜)

深掘り (原理・応用)

束一的性質は未知物質の分子量決定に使われ、特に浸透圧はタンパク質や高分子の分子量測定に適しています(M = mRT/(πV))。冬の融雪剤(NaCl, CaCl2)は凝固点降下の応用。海水の浸透圧は約25 atmで、これを利用した逆浸透膜(RO膜)は海水淡水化技術として実用化。生体では生理食塩水(0.9% NaCl)は血漿浸透圧と等しく等張液です。

💡 ポイント
  • 束一的性質=粒子数に比例
  • 電解質はファントホッフ係数 i で補正
  • NaCl: i=2、CaCl2: i=3
  • 水のKf=1.86, Kb=0.52
  • πV=nRT は理想気体式と同形
  • 分子量決定は浸透圧が高感度
  • 逆浸透膜⇒海水淡水化

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 沸点上昇/凝固点降下は質量モル濃度、浸透圧はモル濃度を使う。② 電解質は i 必須。③ ΔT は絶対値。④ 浸透圧は溶液側へ水が入る方向。

練習

  1. 水1 kgに尿素(M=60)60 gを溶かした水溶液の凝固点を求めよ(Kf=1.86)。
  2. 27℃で水1.0 Lに非電解質4.0 gを溶かし浸透圧1.0×105 Paのとき、分子量を求めよ。
  3. 同じ0.10 mol/kgで凝固点降下が最大なのはどれか: グルコース, NaCl, CaCl2
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このレッスンのQ&A

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