高校発展 / 化学反応とエネルギー 4 / 6

エントロピーと自由エネルギー

エントロピーと自由エネルギー

反応が自発的に進むかどうかは ΔH だけでは決まりません。エントロピー S(乱雑さ)ギブズ自由エネルギー Gが鍵を握ります。

基本知識

エントロピーは系の乱雑さ・微視的状態数の対数(S=kBln W)として定義される状態量。気体>液体>固体の順で大きく、温度上昇・気体分子数増加・溶解で増加します。
ギブズ自由エネルギー G = H - TS。定温定圧条件で、ΔG < 0なら反応は自発的に進みます。
ΔG = ΔH - TΔS。発熱(ΔH<0)かつエントロピー増大(ΔS>0)ならΔGは常に負で自発反応。発熱だがΔS<0なら低温で自発、吸熱だがΔS>0なら高温で自発、発熱でも吸熱でもΔSが小さく逆向きなら非自発。

📘 重要用語・公式
エントロピー S(系の乱雑さ。S=kBln W)
熱力学第二法則(孤立系のΔS≥0)
ギブズ自由エネルギー G(G=H-TS)
ΔG=ΔH-TΔS(定温定圧の自発性判定)
平衡条件(ΔG=0)
標準状態(25℃, 1 atm, 標準状態のΔG°)

深掘り (原理・応用)

氷が0℃以上で溶けるのは、融解でΔS>0でTΔSがΔHを上回るためです。0℃ではΔG=0(平衡)。冷蔵庫が外気より冷えるのは、電気仕事で逆向きにエントロピーを輸送しているからで、第二法則に反していません。
生命現象は局所的にエントロピーを減らす(秩序化する)ように見えますが、廃熱として周囲のエントロピーを増やすため、全体としては第二法則を満たしています。

💡 ポイント
  • エントロピー=乱雑さ
  • 気体>液体>固体
  • ΔG<0で自発反応
  • ΔG=ΔH-TΔS
  • ΔH<0かつΔS>0は常に自発
  • ΔH>0でΔS>0は高温で自発
  • ΔG=0で平衡

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

ΔSは J/K(エネルギーではない)、ΔHは kJ。単位を揃えて計算する。② 自発性=「速度」ではなく「方向性」。自発でも反応が遅いことはある(触媒で加速)。③ 第二法則は孤立系あるいは宇宙全体について成立。生命系は開放系なので局所的に S↓は可能。④ ΔG=0は平衡

練習

  1. 水の蒸発(液→気)のΔSは正・負・ゼロのどれか、理由を述べよ。
  2. ΔH=+44 kJ/mol, ΔS=+118 J/(K·mol)の水の蒸発が標準大気圧下で自発になる最低温度を求めよ。
  3. ΔG=ΔH-TΔSにおいて、ΔH<0, ΔS<0の反応はどの温度で自発になるか。
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このレッスンのQ&A

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