高校発展 / 反応速度と化学平衡 2 / 6

触媒と反応機構

触媒と反応機構

触媒は活性化エネルギーを下げて反応速度を上げますが、自身は反応の前後で変化せず、平衡の位置も変えません。

基本知識

触媒は反応物と一時的に結合した新しい反応経路を提供し、Eaを低下させます。正触媒は反応を加速、負触媒(阻害剤)は減速します。
分類: ① 均一系触媒(液相中で同じ相に存在), ② 不均一系触媒(固体触媒、気体・液体反応物が表面で反応), ③ 酵素(生体触媒、タンパク質)。
不均一系の代表例: Fe(ハーバー法), Pt(自動車排気触媒), Ni(マーガリン硬化), V2O5(接触法のSO3生成)。

📘 重要用語
触媒(反応速度を変えるが消費されない物質)
均一触媒(H2SO4水溶液など同一相)
不均一触媒(白金網、酸化バナジウムなど)
酵素(高選択性のタンパク質触媒)
触媒毒(触媒活性を失わせる物質。S, Pbなど)
三元触媒(Pt/Pd/Rh, NOx, CO, HCを同時処理)

深掘り (原理・応用)

触媒は平衡の位置を変えない(正反応・逆反応とも同じ倍率で加速するため)が、平衡到達までの時間を短くするのが本質です。ハーバー・ボッシュ法(N2+3H2→2NH3)はFe触媒で工業化され、20世紀の食料増産を支えました。
酵素は活性部位の三次元構造により基質を特異的に認識し、Eaを劇的に下げます。最適温度・最適pHから外れると変性して失活する点が無機触媒との大きな違いです。

💡 ポイント
  • 触媒はEaを下げる
  • 触媒は平衡を変えない
  • 均一系・不均一系・酵素の3分類
  • ハーバー法=Fe触媒
  • 接触法=V2O5触媒
  • 三元触媒=自動車排ガス浄化
  • 酵素は最適温度・pHあり

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 触媒は反応速度を変えるが収率(平衡)は変えない。② 反応エンタルピーΔHも変えない。③ 触媒は前後で量が変わらないので化学量論に出てこない。④ 酵素は高温で変性するため60℃以上で失活する。

練習

  1. 触媒が反応速度を上げる仕組みをエネルギー図で説明せよ。
  2. ハーバー・ボッシュ法に用いられる触媒は何か。
  3. 触媒が平衡定数を変えない理由を説明せよ。

このレッスンのQ&A

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