中学 / 化学変化とイオン 5 / 6

中和と塩

中和と塩

酸と塩基を混ぜると互いの性質を打ち消し合います。この反応を中和といい、生じる物質を塩(えん)と呼びます。

基本知識

中和反応は、酸の H+ と塩基の OH- が結びついて水(H2O)になる反応です。同時に酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結びついた物質=塩(えん)が生成します。
代表的な中和反応:
HCl + NaOH → NaCl + H2O(塩化ナトリウムと水)
H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O(硫酸ナトリウムと水)
HCl + Ca(OH)2 → CaCl2 + H2O(塩化カルシウムと水)
中和反応では熱(中和熱)が発生します。中和反応が完了した点を中和点といいます。

📘 重要用語
中和(酸とアルカリが反応してH+とOH-が水になる反応)
塩(えん)(中和反応で生成する物質。NaCl, Na2SO4など)
中和点(酸と塩基が過不足なく反応した点)
中和熱(中和反応で発生する熱。強酸強塩基の中和は約57 kJ/mol)
滴定(濃度不明の酸(または塩基)に、濃度既知の塩基(または酸)を少しずつ加えて中和点を求める操作)
炭酸カルシウム(石灰石・貝殻の主成分。CaCO3。酸と反応して CO2 を発生)

深掘り

中和は日常生活にも広く登場します。
・胃酸(塩酸)を中和する制酸剤には炭酸水素ナトリウム(重曹, NaHCO3)や水酸化アルミニウムが使われます。
・農業では酸性に傾いた土壌に消石灰(Ca(OH)2を加えて中和します。
・酸性雨対策に湖や川へ石灰(CaCO3)を散布することもあります。
中和の原理はH+の物質量=OH-の物質量のとき中和点に達します(酸の価数×モル濃度×体積=塩基の価数×モル濃度×体積)。

💡 ポイント
  • 中和 = H+ + OH- → H2O(水が生成する)
  • 同時に塩(えん)が生成する
  • HCl + NaOH → NaCl + H2O を確実に書ける
  • 中和は発熱反応(中和熱が発生)
  • 制酸剤は胃酸(HCl)を中和するアルカリ
  • 土壌改良に消石灰(酸性土壌を中和)
  • 中和点: H+の量 = OH-の量

注意点

塩(えん)は「しお(食塩)」と発音を区別する。化学でいう塩(えん)は NaCl 以外の多くの物質を含む。② 中和で必ずしも中性(pH = 7)になるとは限らない(強酸+弱塩基の塩は酸性になるなど)。③ HCl + NaOH → NaCl + H2O の係数 1:1 と、H2SO4 + 2NaOH → の係数 1:2 を区別する。

練習

  1. 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応の化学反応式を書きなさい。
  2. 中和とはどのような反応か「H+」と「OH-」という語を使って説明しなさい。
  3. 胃の制酸剤がアルカリ性を示す理由を、中和の観点から説明しなさい。
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このレッスンのQ&A

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