水素・希ガスと周期表の概観
無機化学では元素を周期表のグループごとに整理して学びます。最も単純な水素と、化学的にきわめて安定な希ガスから出発しましょう。
基本知識
水素 H は原子番号1、電子配置 1s1。アルカリ金属(1価陽イオン)とハロゲン(1価陰イオン)の両方の性質を示す独特の元素です。工業的には水蒸気改質 CH4 + H2O → CO + 3H2 で大量生産され、アンモニア合成や燃料電池の原料となります。
希ガス(18族) はHe, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn。最外殻電子が閉殻のため化学的に不活性で、単原子分子として存在します。空気中存在比はAr(0.93%)>Ne>He>Kr>Xeの順。Heは熱気球・MRI冷却、Arは溶接シールドガス、Krはレーザー、Xeは麻酔・自動車ヘッドランプに利用されます。
📘 重要用語・公式
水素(無色無臭・最も軽い気体・燃焼で水を生成)
水蒸気改質(CH4+H2O→CO+3H2、工業的水素製法)
希ガス(18族の不活性ガス、単原子分子)
閉殻構造(最外殻電子が満たされ安定)
アボガドロ定数(6.02×1023/mol、希ガス1molの体積換算)
XeF2, XeF4(重い希ガス化合物の例)
水素(無色無臭・最も軽い気体・燃焼で水を生成)
水蒸気改質(CH4+H2O→CO+3H2、工業的水素製法)
希ガス(18族の不活性ガス、単原子分子)
閉殻構造(最外殻電子が満たされ安定)
アボガドロ定数(6.02×1023/mol、希ガス1molの体積換算)
XeF2, XeF4(重い希ガス化合物の例)
深掘り (原理・応用)
水素は将来のクリーンエネルギー候補です。再生可能電力で水を電気分解するグリーン水素、化石燃料からCO2回収付きで作るブルー水素などが提案されています。燃料電池車(FCV)では 2H2 + O2 → 2H2O で電気を取り出します。
希ガスの不活性さは1962年バートレットがXePtF6を合成して破られました。現在ではXeF2, KrF2などフッ化物が知られています。Heは地球大気から漏出しやすく、地下天然ガス田からの分離が唯一の経済的供給源で、資源戦略物資として重要です。
💡 ポイント
- 水素は周期表で「どこに置くか」議論される特殊な元素
- 工業的水素製造は水蒸気改質が主流
- 希ガスは閉殻構造で不活性、単原子分子
- 大気中の希ガスはArが最も多い(0.93%)
- Xe, Krはフッ化物として化合物を作る
- Heは天然ガス田からの分離以外、経済的供給源がない
- ネオン管・蛍光灯・MRI・溶接など産業応用が広い
注意点 (混同しやすい・頻出ミス)
① 水素は1族に置かれるがアルカリ金属ではない。② 希ガスは「貴ガス」とも書く(IUPAC現行)。③ Heは1s2で2個でも閉殻(K殻が満杯)。④ 水素分子H2の結合は共有結合(σ結合)。
練習
- 水蒸気改質の反応式を書け。
- 大気中で最も多い希ガスは何か、体積%とともに答えよ。
- 燃料電池の全反応式と、放出されるのが水のみであることの環境的意義を述べよ。