高校発展 / 脂肪族化合物 2 / 6

アルケン・アルキン(不飽和炭化水素)

アルケン・アルキン(不飽和炭化水素)

炭素間に二重結合を持つアルケン(CnH2n)、三重結合を持つアルキン(CnH2n-2)は、付加反応性に富み、有機合成の主役です。

基本知識

アルケン: C=Cはsp2混成(平面三角形、120°)+π結合。
主な反応:
H2付加(Pt/Ni触媒): CH2=CH2 + H2 → CH3-CH3
HX付加(マルコフニコフ則: H+はHが多いC側に付く): CH2=CH-CH3 + HBr → CH3-CHBr-CH3
H2O付加(H2SO4触媒): エチレン→エタノール工業合成。
X2付加: CH2=CH2 + Br2 → CH2Br-CH2Br(臭素水脱色は二重結合検出)。
酸化: KMnO4→ジオール(冷)またはケトン・カルボン酸(熱)。O3分解→カルボニル化合物。
付加重合: ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等。
アルキン: C≡Cはsp混成(直線、180°)+π結合2本。アセチレンC2H2は実験室で CaC2 + 2H2O → C2H2 + Ca(OH)2
主な反応: H2付加(2段階でアルカン化)、HX付加、H2O付加(HgSO4触媒、ビニルアルコール→ケト形に異性化してアセトアルデヒドCH3CHO)、HCN付加(アクリロニトリル、合成繊維原料)。

📘 重要用語・公式
アルケン(CnH2n、sp2混成、π結合)
アルキン(CnH2n-2、sp混成、π結合2本)
マルコフニコフ則(H+はHの多いCに、X-はHの少ないCに)
付加重合(モノマー→ポリマー、二重結合が単結合化)
アセチレンの製法(炭化カルシウムCaC2+水)
エノール-ケト互変異性(ビニルアルコール⇄アセトアルデヒド)

深掘り (原理・応用)

エチレンC2H4は世界年産2億トン超の石油化学最重要モノマー。ポリエチレン・酸化エチレン・エチレングリコール(自動車冷却液・ポリエステル原料)・スチレン(ABS樹脂)・アセトアルデヒド等の出発物質。
アセチレンはかつてビニル系合成化学の出発原料でしたが、現在はエチレンに置き換わりました。ただし金属溶接(酸素アセチレン炎、3000℃)では現役。
マルコフニコフ則の機構: HXがアルケンに付加するとき、まずH+が二重結合に攻撃してカルボカチオン中間体を生成。より安定なカルボカチオン(置換基が多い方が安定: 3°>2°>1°)が優先するため、H+はHが多い側に付く結果になります。
逆マルコフニコフ生成は過酸化物存在下のラジカル機構や、ホウ素試薬を使うヒドロホウ素化反応で得られます(大学有機化学)。

💡 ポイント
  • アルケンはC=C(sp2), アルキンはC≡C(sp)
  • 付加反応がメインの反応様式
  • マルコフニコフ則=HX付加の位置選択性
  • 臭素水脱色はC=C検出反応
  • 付加重合でポリマー化
  • アセチレンはCaC2+水で実験室製造
  • エチレンは石油化学の中心モノマー

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

マルコフニコフ則: 「H+がHの多い側に付く」「金持ちさらに金持ち(置換基が多いC+がより安定)」と覚える。② シスとトランスは二重結合まわりで生じる(アルカンには生じない)。③ ビニルアルコール CH2=CH-OHは不安定で、互変異性で アセトアルデヒド CH3-CHOに変わる。④ アセチレンは2本のπ結合を持つので2倍量のH2等を付加できる。

練習

  1. プロピレンCH2=CH-CH3にHBrを付加した生成物を、マルコフニコフ則に従って答えよ。
  2. アセチレンに水を付加するとどのような化合物になるか、反応式と異性化を含めて説明せよ。
  3. 1-ブテンと2-ブテンを区別する化学的方法を一つ挙げよ。

このレッスンのQ&A

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