温度と熱・熱量
熱は温度が高い物体から低い物体へ自然に移動します。物理学における熱と温度の定義を正確に理解しましょう。
基本知識
温度 (temperature) は物体の冷たさ・暖かさの度合いを数値化したものです。日常では℃(セルシウス温度)、物理では K (ケルビン)(絶対温度)を使います。T(K) = t(℃) + 273
絶対零度 = 0 K = -273℃(これ以下の温度は存在しない)。
熱 (heat) は温度差によって移動するエネルギーです。熱量 Q(単位: J)で表します。熱は必ず高温から低温へ移動します(熱力学第2法則)。
熱の伝わり方:
・熱伝導: 固体内を分子振動が伝わる
・熱対流: 液体・気体が流動して熱を運ぶ
・熱放射 (輻射): 電磁波(赤外線)で真空中でも熱が伝わる
温度 (temperature)(物体の熱さ冷たさ。K または ℃ で表す)
絶対温度 T (K)(T = t + 273。絶対零度 0 K = -273℃)
熱 (heat)(温度差で移動するエネルギー。単位: J)
熱伝導(固体中を分子振動が伝わる熱の移動)
熱対流(流体(液体・気体)が動いて熱を運ぶ)
熱放射(輻射)(電磁波で熱が伝わる。真空中でも起こる)
深掘り (背景・意義)
絶対温度が重要な理由: 気体の状態方程式や熱力学の公式は絶対温度を使います。気体の体積は絶対温度に比例するため(シャルルの法則)、℃ではなく K を使わないと計算が成立しません。
「熱」と「温度」は混同されがちですが全く別の概念です。大きな湖は温度が低くても水量が多いため熱量は大きく、小さなカップのお湯は温度が高くても熱量は少ない場合があります。
熱放射(輻射)はすべての物体から常に放出されています。温度が高いほど放射が強く、人体も赤外線を放射しています。サーモグラフィーはこれを利用した体温測定装置です。また太陽から地球への熱の伝わり方は放射(宇宙は真空)です。
熱伝導率は材料によって大きく異なります。金属は大きく(金>銀>銅>アルミ)、木・空気は小さい。断熱材は熱伝導率が低い素材で作られています。
- T(K) = t(℃) + 273
- 絶対零度 = 0 K = -273℃
- 熱は高温→低温へ自然移動
- 熱の伝わり方: 伝導・対流・放射
- 熱放射は真空中でも起こる(電磁波)
- 温度≠熱量(量と質の違い)
- 物理では基本的に K を使う
注意点 (混同しやすい)
① 温度(高さの尺度)と熱量(エネルギーの量)は別。温度が同じでも熱量は違う場合がある。② 絶対温度はT = t + 273。t + 273.15 が正確だが物理基礎では 273 を使う。③ 熱は高温→低温へしか自然移動しない。逆方向は冷蔵庫のように外部エネルギーが必要。④ 熱放射は真空でも起こるのが特徴。伝導・対流は媒質が必要。
練習
- 100℃ を絶対温度 (K) に換算しなさい。
- 0 K は何℃か。
- 太陽の熱が地球に届く伝熱の方法を答えなさい。その理由も簡潔に述べなさい。