電荷・電場・クーロンの法則
電気現象の根本は電荷です。電荷どうしの力とその周囲に生じる電場を学びます。
基本知識
電荷の基本:
・正電荷 (+) と負電荷 (−) の2種類
・同符号: 反発(斥力)、異符号: 引き合い(引力)
・電荷の保存則: 系全体の電荷の総量は一定
・素電荷: e = 1.6 × 10⁻¹⁹ C(電子 1 個の電荷の大きさ)
クーロンの法則: 2つの点電荷 Q₁, Q₂ が距離 r だけ離れているときの静電気力:F = k Q₁Q₂ / r²
・k = 9.0 × 10⁹ N·m²/C²(クーロン定数)
・力は電荷の積に比例、距離の二乗に反比例
電場 (electric field) E: 単位正電荷(+1 C)に働く静電気力の大きさと向き [N/C = V/m]
・点電荷 Q からの電場: E = kQ/r²
・電場の向き: 正電荷からは外向き、負電荷には内向き
電荷 (charge, Q)(電気の量。単位 C(クーロン))
素電荷 (e)(e = 1.6 × 10⁻¹⁹ C。電子・陽子の電荷の大きさ)
クーロンの法則(F = kQ₁Q₂/r²。静電気力は距離の二乗に反比例)
電場 (electric field, E)(単位正電荷に働く力。単位 N/C または V/m)
電気力線(電場の向きと強さを表す線。密なほど強い電場)
電荷保存則(孤立系での総電荷量は変化しない)
深掘り (背景・意義)
クーロンの法則は万有引力の法則 F = Gm₁m₂/r² と形が同じです。重力は常に引力のみですが、静電気力は引力・斥力の両方があります。また静電気力は重力に比べて圧倒的に強く、電子が原子核のまわりを回れるのも静電気力のおかげです。
電場は「ある点に置かれた電荷がどの向きにどれだけの力を受けるか」を表す場の概念です。電気力線を使って可視化します。均一な電場(平行平板コンデンサーの内部など)では電気力線が等間隔の平行線になります。
静電誘導: 導体に電場を加えると、自由電子が移動して電荷が偏ります。アースすると余分な電荷が逃げ、帯電体を取り除いた後も帯電したままになります(誘電分極も関連)。
現代では電荷の単位系として SI 単位のクーロン(C)を使いますが、素電荷 e が基本単位として議論されており、素粒子物理では e の分数(クォーク)も存在します。
- 同符号の電荷: 斥力、異符号: 引力
- クーロン則: F = kQ₁Q₂/r²
- k = 9.0 × 10⁹ N·m²/C²
- 電場 E = F/q = kQ/r²
- 電気力線: 正電荷から出て負電荷に入る
- 電場の単位: N/C = V/m
- 素電荷 e = 1.6 × 10⁻¹⁹ C
注意点 (混同しやすい)
① クーロンの法則の r は距離(r²)。距離の 1 乗ではない。② 電場 E は単位正電荷(+1 C)に働く力。実際の力 F = qE で電荷 q が負なら向きが逆。③ 電気力線の密度が電場の強さを表す。均一な電場では等間隔。④ 導体内部の電場はゼロ(静電平衡状態)。電荷は表面に分布する。
練習
- 2.0 × 10⁻⁶ C と 3.0 × 10⁻⁶ C の電荷が 1.0 m 離れている。クーロン力を求めなさい(k = 9.0 × 10⁹)。
- 電場が 500 N/C の空間に −2.0 × 10⁻⁶ C の電荷を置いた。この電荷に働く力の大きさを求めなさい。
- 電気力線は正電荷・負電荷のどちらから出てどちらに入るか。