高校発展 / 光波 2 / 6

薄膜干渉とニュートンリング

薄膜干渉とニュートンリング

シャボン玉や水面の油膜が虹色に見えるのは薄膜干渉のせいです。反射時の位相変化(半波長のずれ)を正確に扱うことが鍵です。

基本知識

薄膜干渉: 厚さ t の薄膜(屈折率 n₂,両外側媒質 n₁, n₃)に光が入射すると、上面と下面での反射光が干渉します。
光路差: 2n₂t(薄膜内を往復する分)
位相反転(半波長ずれ): 低屈折率 → 高屈折率の境界での反射は位相が π だけ変化(半波長ずれ)する。高→低の反射では変化なし。
例: 空気(n=1)上の薄膜(n=1.5)の場合(上面反射で位相反転・下面反射は変化なし):
強め合い(明): 2n₂t = (m + 1/2)λ(m = 0, 1, 2, …)
弱め合い(暗): 2n₂t = mλ
(位相反転が 1 回ある場合。2 回ある・0 回あるでは条件が変わる)

📘 重要用語
薄膜干渉 (thin-film interference)(薄膜上下面での反射光が干渉する現象)
光路差 (optical path difference)(屈折率 × 経路長の差。2n₂t が薄膜干渉での光路差)
位相反転 (phase reversal)(n が低い→高い媒質への反射で半波長ずれが生じる)
ニュートンリング (Newton's rings)(平凸レンズと平板ガラスの間の薄い空気層による同心円干渉縞)
反射防止コート (AR coating)(薄膜干渉で反射を弱め合わせ透過を増やすコーティング)

深掘り (背景・意義)

シャボン玉が虹色に見えるのは薄膜の厚さが場所で違い、各波長(色)で干渉条件が異なる位置が強調されるためです。シャボン玉が消える直前には膜が極薄になり全体が黒く(弱め合い)なります。
反射防止コーティングは 2n₂t = λ/2(光路差 = λ/2,位相反転考慮で弱め合い)となる膜厚に設計されます。カメラレンズの青紫色は可視光中央の緑で最適化した結果、端の赤・青が反射されているためです。
ニュートンリングの m 番目の明環半径 rm = √((m+1/2)λR)(R: レンズ曲率半径)から λ が精密測定できます。

💡 ポイント
  • 薄膜干渉の光路差 = 2n₂t
  • 低→高屈折率反射で位相反転(半波長ずれ)
  • 位相反転の回数(0・1・2回)で明暗条件が変わる
  • 反射防止コート: 薄膜干渉で弱め合いを利用
  • シャボン玉・油膜の虹色は薄膜干渉

注意点 (混同しやすい)

① 位相反転は「低→高屈折率」の反射のみ。「高→低」の反射では位相変化なし。問題ごとに境界の屈折率を確認すること。② 光路差 2n₂t の n₂ は薄膜の屈折率(外側ではない)。③ 位相反転が 1 回だと強め合いと弱め合いの条件が通常の干渉と入れ替わる。④ ニュートンリングの中心(空気層厚 = 0)は位相反転 1 回なので暗点になる。

練習

  1. 空気中の薄膜(n = 1.4、厚さ t)への鉛直入射で反射光が強め合う最小の膜厚を、波長 λ を使って表せ。
  2. シャボン玉が消える直前に黒くなる理由を位相反転と光路差の観点から説明しなさい。
  3. 反射防止コーティングが機能する原理を「薄膜干渉」と「位相反転」の言葉を使って説明しなさい。

このレッスンのQ&A

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