高校発展 / 光波 3 / 6

回折格子と光の分散

回折格子と光の分散

多数の細いスリットが並んだ回折格子は、光を波長ごとに分離する精密光学素子です。また、プリズムによる分散も波長依存屈折率で説明できます。

基本知識

回折格子 (diffraction grating): スリット間隔(格子定数)d の周期構造に光を当てると、隣り合うスリットからの経路差が波長の整数倍になる方向に回折光が強く現れます。
回折格子の条件: d sin θ = mλ(m = 0, ±1, ±2, …: 回折次数)
m = 0: 0 次光(直進),m = ±1: 1 次光,など。
分散 (dispersion): 媒質の屈折率が波長(色)によって異なる性質。プリズムでは波長が短い(紫・青)ほど屈折率が大きく大きく曲がります(正常分散)。
虹: 雨粒(球形の水滴)による屈折+全反射+屈折の結果。赤が外側、紫が内側。

📘 重要用語
回折格子 (diffraction grating)(多数の平行スリットで光を波長分解する素子)
格子定数 d [m](隣接スリットの間隔)
回折次数 m(d sin θ = mλ の整数 m。m = 0 が 0 次光)
分散 (dispersion)(屈折率の波長依存性。プリズムが白色光を色分けする原因)
スペクトル (spectrum)(分散や回折で波長ごとに分解された光の色のパターン)

深掘り (背景・意義)

回折格子は分光器の核心部品です。1 mm あたり数百〜数千本の溝が刻まれており、ヤング実験(2スリット)より遥かに鮮明な明線が得られます(多スリットほど干渉が鋭くなる)。
天文学では星の光をスペクトル分解することで元素組成・温度・視線速度(ドップラーシフト)が分かります(天体分光学)。太陽スペクトルの暗線(フラウンホーファー線)はこの分光分析の始まりです。
CD/DVD の表面が虹色に輝くのは、表面に刻まれた記録ピットのパターンが回折格子として機能するためです。格子定数は ~1.5 μm(CD)で可視光の波長域に近い。

💡 ポイント
  • 回折格子条件: d sin θ = mλ
  • λ が長い(赤)ほど θ が大きい(より外側に回折)
  • 分散: 短波長ほど屈折率大・大きく曲がる
  • 虹: 赤が外(雨粒での反射角が大)、紫が内
  • CD/DVDの虹色は回折格子の応用

注意点 (混同しやすい)

① 回折格子の sin θ = mλ/d では、λ が長い(赤)ほど θ が大きいので赤が外側に来る(プリズムとは逆)。② m の最大値は sin θ ≤ 1 の制約から m ≤ d/λ。③ 分散(プリズム)では紫が大きく曲がり内側(底面に近い方)へ。④ 格子定数 d は「1 本あたりの幅」(問題で「1 mm あたり N 本」なら d = 1 mm / N)。

練習

  1. 格子定数 d = 2.0×10⁻⁶ m の回折格子に波長 500 nm の光を当てた。1 次回折光の角度を求めよ。
  2. 1 mm あたり 400 本の溝を持つ回折格子の格子定数を求め、波長 600 nm の光の 1 次・2 次回折角を求めよ。
  3. プリズムで白色光を分光すると、赤と紫のどちらが大きく屈折するか。理由を述べよ。
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このレッスンのQ&A

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