偏光
光は横波なので、振動方向が特定の方向に揃った偏光が存在します。偏光板・ブリュースター角・液晶ディスプレイへの応用まで理解します。
基本知識
通常の光(自然光)は振動方向がランダムな横波の集まりです(非偏光)。
偏光 (polarized light): 電場の振動方向が 1 方向に揃った光。
偏光板(偏光フィルタ): 特定方向の振動成分のみを通す。2 枚の偏光板を直交(90°)させると光が通らない(消光)。
マルスの法則: 偏光の強度 I₀ に対し、偏光板を角度 φ 傾けると透過後の強度:
I = I₀ cos² φ
ブリュースター角 θB: ある角度で入射した光の反射成分が完全偏光になる角度。
tan θB = n₂/n₁
(このとき反射光と屈折光が 90° をなす)
偏光 (polarized light)(電場の振動方向が一定方向に揃った光)
偏光板 (polarizer)(一方向の振動成分のみを透過させる光学素子)
マルスの法則(I = I₀ cos² φ。偏光板の角度と透過強度の関係)
ブリュースター角 θB(tan θB = n₂/n₁。反射光が完全偏光になる入射角)
液晶 (liquid crystal)(電場で光の偏光方向を制御できる物質。LCD の原理)
深掘り (背景・意義)
光が横波であることの決定的証拠が偏光です。縦波では偏光板による消光が起こりません。音波(縦波)では「偏光」は定義できないことと対比されます。
液晶ディスプレイ(LCD)は2枚の偏光板と電場で配向が変わる液晶分子の組み合わせ。電圧で液晶の向きを変えることで光の透過・遮断を制御します。スマートフォンや PC モニタはすべてこの原理。
サングラスの多くは偏光板を内蔵し、水面・路面からの反射光(主にブリュースター角付近で偏光)を遮断してギラつきを軽減します。
- 偏光は光が横波であることの証拠
- 2 枚の偏光板を 90° にすると消光(光ゼロ)
- マルスの法則: I = I₀ cos² φ
- ブリュースター角: tan θB = n₂/n₁
- LCD・偏光サングラスは偏光の応用
注意点 (混同しやすい)
① 縦波は偏光しない(横波のみの性質)。② マルスの法則の φ は「偏光板と入射偏光の偏光軸のなす角」(偏光板どうしの角度)。φ = 0 で完全透過、φ = 90° で消光。③ ブリュースター角の公式は tan θB(sin/cos ではなく tan)。④ 自然光が偏光板を通過すると強度は半分(全方向を平均するため)。
練習
- 偏光光が偏光板を通る。軸のなす角 φ = 60° のとき透過強度は元の何倍か。
- 空気(n₁ = 1.0)からガラス(n₂ = 1.73)へのブリュースター角を求めよ(tan 60° = 1.73)。
- 偏光が「光が横波であることの証拠」である理由を、縦波と比較しながら説明しなさい。