高校発展 / 原子と原子核 4 / 6

原子核の構造と放射線

原子核の構造と放射線

原子核は陽子と中性子で構成され、不安定な核は放射線を放出して崩壊します。α・β・γ 各崩壊の性質を学びます。

基本知識

原子核の表記: ₍Z₎^A X(X: 元素記号、A: 質量数、Z: 陽子数)
中性子数 N = A − Z
同位体(アイソトープ): Z が同じで A が異なる原子核。

放射線の3種類:
α 線: ₂⁴He(ヘリウム核)の放出。電離作用強・透過力弱。
₍Z₎^A X → ₍Z-2₎^(A-4) Y + ₂⁴He
β 線: 電子(β⁻)の放出(中性子 → 陽子 + 電子 + 反ニュートリノ)。
₍Z₎^A X → ₍Z+1₎^A Y + e⁻ + ν̄
γ 線: 高エネルギー電磁波の放出。透過力最強、電離作用弱。

放射能の単位: Bq(ベクレル)= 1 崩壊/秒、Sv(シーベルト)= 生体への影響量

📘 重要用語
質量数 A・陽子数 Z(A = Z + N。核の種類を指定)
α 崩壊(Z が 2 減、A が 4 減。ヘリウム核放出)
β 崩壊(Z が 1 増、A 不変。電子放出)
γ 崩壊(Z・A 不変。励起核から高エネルギー光子放出)
半減期 T₁/₂(放射性同位体の個数が半分になる時間)
Bq(ベクレル)・Sv(シーベルト)(放射能の強さ/生体への影響の単位)

深掘り (背景・意義)

半減期 T₁/₂: 残存量 N(t) = N₀ × (1/2)^(t/T₁/₂) = N₀ e^(−λt)(λ: 崩壊定数)。T₁/₂ = ln2/λ ≈ 0.693/λ。
半減期は物質や温度・圧力によらず一定であるため、放射性年代測定(炭素 ¹⁴C 法など)に利用されます。¹⁴C の半減期は約 5730 年で、考古学・古生物学で広く活用されます。
3種類の放射線の透過力の目安:
・α 線: 空気中数 cm、紙1枚で遮蔽
・β 線: アルミニウム数 mm で遮蔽
・γ 線: 鉛・コンクリートの厚い板が必要
β 崩壊でニュートリノが放出されることはパウリが1930年に予言し、その後実験で確認されました。

💡 ポイント
  • α 崩壊: Z → Z−2、A → A−4
  • β 崩壊: Z → Z+1、A 不変
  • γ 崩壊: Z・A 変わらず
  • 透過力: γ > β > α
  • 電離作用: α > β > γ
  • 半減期: N = N₀(1/2)^(t/T₁/₂)
  • ¹⁴C 半減期 ≈ 5730 年(年代測定に利用)

注意点 (混同しやすい)

① α 崩壊と β 崩壊で Z が変わる → 元素が変わる(変換)。② γ 崩壊は Z・A が変化しない(元素は変わらず、核の励起エネルギーが光子に)。③ 透過力と電離作用は逆の関係。④ 半減期は種類によって ps 以下から数十億年まで様々。

練習

  1. ²³⁸₉₂U が α 崩壊するとき、生成される核の質量数と陽子数を求めよ。
  2. 半減期 8 日の ¹³¹I が 24 日後に最初の何分の何になるか。
  3. α・β・γ 線の透過力を強い順に並べ、各線の正体も書け。
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このレッスンのQ&A

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