高校発展 / 万有引力と惑星運動 1 / 6

ケプラーの3法則

ケプラーの3法則

惑星の運動を記述するケプラーの3法則は、17世紀に観測データのみから導かれた経験則です。万有引力の法則から理論的に導出できます。

基本知識

第1法則(楕円軌道の法則): 惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道上を運動する。

第2法則(面積速度一定の法則): 惑星と太陽を結ぶ線分(動径)が単位時間に掃く面積は一定(面積速度一定)。
→ 近日点(太陽に近い点)では速く、遠日点(遠い点)では遅く動く。

第3法則(調和の法則): 惑星の公転周期 T と軌道半径(長半径)a の間に:
T² ∝ a³(T²/a³ = 一定)
具体的に: T²/a³ = 4π²/(GM)(G: 万有引力定数、M: 太陽の質量)

📘 重要公式
第1法則: 楕円軌道(太陽が焦点)
第2法則: 面積速度一定(近日点で速い)
第3法則: T²/a³ = 一定(= 4π²/GM)
惑星比較: (T₁/T₂)² = (a₁/a₂)³
円軌道近似: 多くの惑星は離心率が小さく円軌道に近い

深掘り(背景・意義)

ケプラーは師ブラーエの膨大な観測データを20年かけて解析してこの法則を発見しました。当時「なぜこうなるのか」は分からず、ニュートンが万有引力の法則からすべてを理論的に導いてはじめて説明がついた、という歴史があります。
第2法則は角運動量保存と等価です。惑星に働く重力は常に中心(太陽)方向を向くため、外力のトルクがゼロ → 角運動量保存 → 面積速度一定。
第3法則の証明(円軌道の場合): 重力 = 向心力 より GMm/r² = m(2πr/T)²/r → T² = 4π²r³/(GM) → T²/r³ = 4π²/(GM) = 一定。
地球・火星の周期比から距離比を計算できます: 火星の公転周期 T_M ≈ 1.88 年 → 軌道半径 a_M = a_E × (T_M/T_E)^(2/3) ≈ 1.52 AU。

💡 ポイント
  • 第1:楕円軌道、太陽が焦点
  • 第2:面積速度一定(角運動量保存と等価)
  • 第3:T²/a³ = 一定
  • 近日点:速い、遠日点:遅い
  • 第3法則の比較式:(T₁/T₂)² = (a₁/a₂)³
  • 円軌道で第3法則を導出できる
  • T²/a³ = 4π²/(GM)

注意点(混同しやすい)

① 第3法則は T² と a³ の比例(T と a の比例ではない)。② 楕円軌道では「軌道半径」ではなく「長半径(semi-major axis)a」を使う。③ 面積速度一定 → 近日点で速いが、速さが一定なわけではない。④ GM は太陽の質量を使う(惑星の質量ではない)。

練習

  1. 地球の公転周期 T_E = 1年、軌道半径 a_E = 1AU として、公転周期 8年の惑星の軌道半径を求めよ。
  2. 楕円軌道の近日点と遠日点で惑星の速さはどちらが大きいか、理由とともに述べよ。
  3. 円軌道の場合を想定して、ケプラーの第3法則 T²/a³ = 4π²/(GM) を導出せよ。

このレッスンのQ&A

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