プレートの境界と海洋底拡大
プレートどうしの境界では、地球で最も活発な地質活動が起きています。境界のタイプによって起きる現象が大きく異なります。
基本知識
プレートの境界は3種類に分類されます。
①発散境界(広がる境界): 2枚のプレートが互いに離れていく境界。代表例は海嶺(大西洋中央海嶺など)。マントルが上昇して新しい海洋地殻が形成される。火山活動が活発。大陸で起きるとリフトバレー(地溝帯、東アフリカ地溝帯など)ができる。
②収束境界(せばまる境界): 2枚のプレートが衝突・沈み込む境界。
・海洋プレート+大陸プレート: 海洋プレートが沈み込み海溝(深い溝)が形成。大陸側に火山(弧状列島、日本列島など)が形成。プレート境界型地震が発生。
・大陸プレート+大陸プレート: 密度が近いため沈み込まず大規模な山脈(ヒマラヤ、アルプス)が形成。
③保存境界(すれ違い境界): 2枚のプレートが水平にすれ違う境界。トランスフォーム断層が形成。代表例はサンアンドレアス断層(カリフォルニア)。
海洋底拡大説: 海嶺でマントルが上昇→新しい海洋底が形成→左右に広がっていく。海底は最大でも約1億8000万年前のものしかない(古い海洋底は沈み込んで消える)。
発散境界(プレートが離れる。海嶺・リフトバレー形成)
収束境界(プレートが近づく。海溝・山脈形成)
保存境界(プレートが水平にすれ違う。トランスフォーム断層)
海嶺(発散境界。新しい海洋底が形成される海底の山脈)
海溝(収束境界。海洋プレートが沈み込む深い溝)
海洋底拡大説(ヘス・1960年代。海嶺で海洋底が生まれ拡大する説)
深掘り
海洋底拡大説の証拠のひとつが古地磁気の縞模様です。海嶺を中心に左右対称に正逆交互の磁気縞(磁気異常縞)が並んでおり、これは地磁気が逆転するたびに逆方向に磁化された玄武岩が生成されたことを示します。この縞の間隔から海洋底の拡大速度が計算でき、大西洋は年間約2〜3 cm、東太平洋海嶺では年間約15 cm程度拡大しています。
日本の東側の日本海溝(深さ最大約9000 m)は太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む場所で、ここを震源とするプレート境界型地震が東北地方太平洋沖地震(2011年・M9.0)でした。
南海トラフはフィリピン海プレートが沈み込む場所で100〜200年周期でM8〜9の巨大地震が繰り返されています。
- 発散=海嶺(新しい海洋底)/リフトバレー形成
- 収束=海溝(沈み込み)/山脈形成
- 保存=トランスフォーム断層(すれ違い)
- 海洋底拡大=海嶺で誕生→海溝で消滅
- 海底の磁気縞=海洋底拡大の証拠
- 日本海溝=太平洋プレートの沈み込み
注意点
① 海嶺=発散境界、海溝=収束境界。逆にしない。② トランスフォーム断層は保存境界。「水平に動く」だけで地殻の生成も消滅もない。③ 大陸同士の収束=山脈形成(沈み込まない)、海洋+大陸の収束=海溝+火山弧形成。
練習
- プレートの3種類の境界をそれぞれ説明しなさい。
- 海洋底拡大説の証拠となる地磁気の現象を説明しなさい。
- 大陸プレート同士が衝突するとどのような地形が形成されるか。