高校基礎 / 大気と海洋の構造 4 / 6

海流と大気循環

海流と大気循環

海洋は静止していません。海流が熱を輸送し、地球全体の気候を調整する役割を担っています。

基本知識

海流: 海洋に一定の方向に流れる大規模な流れ。主な原因は卓越風(恒常的に吹く風)によります。
暖流と寒流:
暖流: 低緯度から高緯度に向かって流れる。周囲より水温が高い。沿岸の気候を温暖・多雨にする。
寒流: 高緯度から低緯度に向かって流れる。周囲より水温が低い。沿岸の気候を冷涼・乾燥にする。
日本近海の主な海流:
黒潮(日本海流): 太平洋側を流れる暖流。速度約1〜2 m/s、流量は世界最大級。
親潮(千島海流): 北太平洋から南下する寒流。プランクトンが豊富で好漁場。
対馬海流: 日本海を北上する暖流(黒潮の分流)。
リマン海流: 日本海を南下する寒流。
黒潮と親潮がぶつかる潮目は、冷暖水が混合して表層に栄養塩が供給され、世界有数の好漁場(三陸沖など)が形成されます。
大気の大循環: 赤道で暖められた空気が上昇し高緯度で冷えて沈下するハドレー循環、フェレル循環、極循環の3つのセルで成り立っています。

📘 重要用語
黒潮(日本海流)(太平洋側を北上する暖流。流量世界最大級)
親潮(千島海流)(北から南下する寒流。栄養塩豊富・好漁場)
潮目(暖流と寒流がぶつかる境界。栄養塩が湧昇し好漁場)
ハドレー循環(赤道〜亜熱帯の大気循環。貿易風の形成)
偏西風(中緯度帯で西から東に吹く恒常風。低気圧を東へ移動させる)

深掘り

海流は地球規模でコリオリ力の影響を受け、北半球では右(時計回り)、南半球では左(反時計回り)に曲げられます。これにより太平洋・大西洋などに大きな亜熱帯環流(北太平洋海流・北大西洋海流など)が形成されています。
黒潮は「黒い潮」と書きますが、実際には栄養塩が少なく透明度が高いため、光の散乱で青黒く見えます。一方、親潮は「親の如く栄養を与える」意味で、栄養塩に富み多くの魚類を育む「親」の役割を果たします。
エルニーニョ現象は太平洋赤道域の貿易風が弱まり東部の海水温が上昇する現象で、世界各地の異常気象と関係します。逆のラニーニャでは西太平洋が高温になります。

💡 ポイント
  • 黒潮=暖流・太平洋側北上
  • 親潮=寒流・北から南下・栄養塩豊富
  • 潮目=暖流と寒流の境界=好漁場
  • コリオリ力=北半球では右に曲げる
  • 偏西風=中緯度・西→東に吹く
  • ハドレー循環=赤道〜亜熱帯の大気循環

注意点

① 黒潮は「暖流」、親潮は「寒流」と正確に答える。② 「暖流=暖かい」は相対的な意味(周囲より温かい)であって、例えば冬の黒潮でも数十℃はない。③ コリオリ力は実際の力ではなく見かけの力(回転系での慣性力)だが、地球スケールでは重要。

練習

  1. 日本の太平洋側を北上する暖流の名前を答えなさい。
  2. 潮目が好漁場になる理由を説明しなさい。
  3. コリオリ力により北半球の海流はどちらに曲げられるか。
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このレッスンのQ&A

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