高校発展 / 海洋と大気の運動 2 / 6

大気大循環:三細胞モデルと恒常風

大気大循環:三細胞モデルと恒常風

地球規模の大気循環は、太陽放射の緯度分布とコリオリ力によって3つの循環細胞に分かれます。これが恒常風の源です。

基本知識

赤道付近では太陽放射が強く、加熱された空気が上昇します。上空で高緯度方向へ移動し、緯度30°付近で下降して地表に戻る大きな循環をハドレー循環といいます。ハドレー循環の地表部分でコリオリ力により偏向した風が貿易風(北半球:北東貿易風、南半球:南東貿易風)です。
緯度30°付近は下降気流帯で高圧(亜熱帯高圧帯)になります。緯度60°付近は上昇気流帯(亜寒帯低圧帯)で、30°〜60°ではフェレル循環(地表:偏西風)が形成されます。60°〜極では極循環(地表:極偏東風)があります。
偏西風(緯度30〜60°)は大気循環の主要な西風帯で、温帯低気圧・前線・日本の天気変化と密接に関わります。

📘 重要用語
ハドレー循環(赤道〜緯度30°。上昇:赤道、下降:30°。地表=貿易風)
フェレル循環(緯度30〜60°。上昇:60°、下降:30°。地表=偏西風)
極循環(緯度60〜90°。上昇:60°、下降:極。地表=極偏東風)
貿易風(北東・南東、赤道に向かって吹く。ハドレー循環の地表部分)
偏西風(中緯度帯の恒常的な西風。温帯低気圧を東進させる)
熱帯収束帯(ITCZ)(南北の貿易風が収束し上昇する低圧帯。季節移動する)

深掘り (背景・意義)

フェレル循環は熱力学的に間接循環(エネルギーを受け取る側)であり、ハドレー循環・極循環(直接循環)に挟まれて維持されます。フェレル循環は理論的な概念で、実際には温帯低気圧や高気圧のランダムな擾乱によって平均的に形成されます。
亜熱帯ジェット気流(高度10〜15km・緯度30°付近・時速200〜300km)は南北の温度差が最大になる場所に吹く強風帯で、航空機の飛行時間にも影響します。夏は北上し冬は南下します。
気候変動で北極の温度上昇が大きく(北極増幅)、南北温度差が小さくなると偏西風が蛇行し、極端気象(熱波・寒波・長雨)が増えると指摘されています。

💡 ポイント
  • 三細胞:ハドレー(0〜30°)/ フェレル(30〜60°)/ 極(60〜90°)
  • ハドレー循環地表=貿易風(北東・南東)
  • フェレル循環地表=偏西風(西→東)
  • 極循環地表=極偏東風
  • 亜熱帯高圧帯(30°)=晴れ→砂漠が集中
  • 亜寒帯低圧帯(60°)=雨・雲多い
  • 偏西風の蛇行が極端気象の原因に

注意点 (混同しやすい)

① 三細胞の上昇・下降の位置を混同しない(ハドレー:赤道上昇30°下降、フェレル:60°上昇30°下降)。② 貿易風は東から西方向に吹く(北半球:北東→南西)。③ 偏西風は西から東(一般の天気が西から変わる理由)。④ フェレル循環は間接循環で現実には擾乱の集積。

練習

  1. 三細胞の名称を低緯度から順に答えなさい。
  2. 亜熱帯高圧帯が分布する緯度はおよそ何度か。
  3. 偏西風は北半球でどの方向に吹くか(東西で答える)。

このレッスンのQ&A

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