季節風と日本の四季の天気
日本の天気は四季を通じて大きく変化します。その根本には季節風(モンスーン)と、大陸・海洋の気温差および大気の大規模循環があります。
基本知識
季節によって卓越する気団と気圧配置が異なります。
冬(12〜2月): シベリア高気圧が発達し、「西高東低の気圧配置」。北西の季節風が日本海を渡るとき水蒸気を補給し、日本海側に大雪をもたらします。太平洋側は乾燥した晴天。
春(3〜5月): 移動性高気圧と温帯低気圧が交互に通過し、天気が周期的に変化します。黄砂や花粉も飛来。
梅雨(6〜7月): 停滞前線(梅雨前線)が本州付近に停滞。北のオホーツク海気団と南の小笠原気団の勢力が拮抗する。
夏(7〜8月): 太平洋高気圧が張り出し、「南高北低」。小笠原気団の影響で高温多湿。フェーン現象で山を越えた空気が乾燥昇温。
秋(9〜10月): 秋雨前線・移動性高気圧。台風の北上が多い時期。
季節風(モンスーン)(季節によって向きが逆転する卓越風)
シベリア高気圧(冬に大陸上に発達する寒冷高気圧。北西季節風の源)
太平洋高気圧(小笠原高気圧)(夏に張り出す暖湿高気圧。南東季節風)
西高東低(冬型の気圧配置。等圧線が縦縞になる)
フェーン現象(山を越えた空気が乾燥・高温になる現象)
オホーツク海気団(梅雨期に発達。冷涼湿潤で梅雨前線の北側を構成)
深掘り (背景・意義)
季節風の最大原因は大陸と海洋の比熱の差です。大陸は夏に強く加熱されて上昇気流が生じ(低気圧)、海洋から風が吹き込みます(夏季モンスーン)。冬は大陸が急冷されて高気圧が発達し、大陸から海洋へ風が吹き出します(冬季モンスーン)。
日本海側の大雪は日本列島の地形と密接に関係しています。北西季節風が日本海の暖流(対馬暖流)上を通過するとき、海面から大量の水蒸気と熱を受け取り、脊梁山脈にぶつかって雪雲を形成します。一方で山脈を越えた太平洋側は乾燥します。
フェーン現象のメカニズム: 湿潤な空気が山の斜面を上昇するとき飽和断熱減率(約0.5℃/100m)で冷える。山頂で雨として水分を失った後、下降するときは乾燥断熱減率(約1℃/100m)で温まる。この差で山越え後に気温が上昇します。
- 冬=西高東低=北西季節風=日本海側大雪・太平洋側晴
- 夏=南高北低=南東季節風=高温多湿
- 梅雨=停滞前線=オホーツク海気団vs小笠原気団
- 春・秋=移動性高気圧と低気圧が交互に通過
- フェーン=山越えで気温上昇・乾燥
- 季節風の根本原因=大陸と海洋の比熱差
- 日本海側大雪の原因=対馬暖流上を通過した北西季節風
注意点 (混同しやすい)
① 冬型は「西高東低」、夏型は「南高北低」。② 日本海側が雪・太平洋側が乾燥晴天(冬)。逆ではない。③ フェーン現象は「山を越えた側」に起きる。④ 梅雨前線は停滞前線の一種。
練習
- 冬の日本付近の典型的な気圧配置を何というか。
- 夏の季節に張り出す高気圧の名称を答えなさい。
- フェーン現象で山の風下側の気温が上昇する理由を説明しなさい。