エルニーニョ・ラニーニャと異常気象
エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、熱帯太平洋の海面水温の変動が地球規模の気候変動を引き起こす現象です。日本の冷夏・暖冬・猛暑などの異常気象と密接に関係しています。
基本知識
エルニーニョ現象: 通常、貿易風が太平洋の暖かい海水を西へ吹き寄せますが、その貿易風が弱まることで暖水が東に戻り、ペルー沖〜中央太平洋の海面水温が平年より高くなる現象。おおむね2〜7年周期で不規則に発生。
ラニーニャ現象: 逆に貿易風が強まり、太平洋西部の海面水温が上昇し、東部が低温になる現象。エルニーニョとほぼ逆の影響を及ぼします。
日本への影響: エルニーニョの年は冷夏・暖冬になりやすく、ラニーニャの年は猛暑・厳冬になりやすいとされます(ただし年変動もあり確実ではない)。
異常気象の定義: 気象庁では「ある場所・ある時期において30年に1回以下の頻度で起きる現象」を異常気象と定義します。
エルニーニョ現象(東太平洋赤道域の海面水温が平年より高い状態が続く現象)
ラニーニャ現象(東太平洋赤道域の海面水温が平年より低い状態が続く現象)
貿易風(熱帯域で東から西へ吹く恒常風。エルニーニョ時に弱まる)
ウォーカー循環(赤道太平洋上の大気循環。エルニーニョ時に弱化)
テレコネクション(遠く離れた地域間の気候の統計的な関連性)
異常気象(30年に1回以下の頻度の気象現象)
深掘り (背景・意義)
エルニーニョ・南方振動(ENSO: El Niño–Southern Oscillation)は、海洋と大気の相互作用によって維持される地球規模の気候変動モードです。ペルー沖の海面水温が上がると上昇気流が東側にシフトし、太平洋上の大気循環(ウォーカー循環)全体が変調します。この影響がテレコネクションを通じて世界中の降水・気温異常に伝播します。
エルニーニョの年には、インドやオーストラリアでは乾燥・干ばつが、南米ペルー沿岸では大洪水が起きやすくなります。日本でも梅雨が長引き、冷夏になりやすい傾向があります(1993年の大冷夏など)。
近年の地球温暖化はエルニーニョの強度や頻度にも影響を与えている可能性があり、将来の異常気象がより頻繁・激化することが懸念されています。WMO(世界気象機関)は現在もENSO監視を続け、6ヶ月先の予測に活用しています。
- エルニーニョ=東太平洋赤道域の海面水温が高い
- ラニーニャ=東太平洋赤道域の海面水温が低い
- 原因=貿易風の変化
- エルニーニョ→日本は冷夏・暖冬になりやすい
- ラニーニャ→日本は猛暑・厳冬になりやすい
- 周期=2〜7年(不規則)
- 異常気象=30年に1回以下の頻度
注意点 (混同しやすい)
① エルニーニョは東太平洋が高温(貿易風が弱まって暖水が東へ)。② ラニーニャはその逆で東太平洋が低温。③ エルニーニョで日本が「冷夏」になるのは確率的傾向であり、必ずしも毎回そうなるわけではない。④ ENSOとウォーカー循環・テレコネクションは一連のメカニズム。
練習
- エルニーニョ現象が起きているとき、ペルー沖の海面水温はどうなるか。
- ラニーニャ現象の年に日本でなりやすい夏の傾向を答えなさい。
- 異常気象の気象庁の定義における頻度の基準を答えなさい。