恒星の分類とHR図
宇宙には無数の恒星が存在します。恒星を表面温度と光度(明るさ)の関係で整理したのがHR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図)です。HR図は恒星の性質と進化を理解する上で最重要のツールです。
基本知識
HR図の横軸は恒星の表面温度(右が低温・左が高温)、縦軸は光度(上が明るい)です。
主系列: HR図上で左上から右下に並ぶ帯状の領域。恒星の一生の大半を過ごす段階(水素を核融合している)。太陽も主系列星。
赤色巨星: 右上の領域。低温・大光度。水素を使い果たして膨張した状態。
白色矮星: 左下の領域。高温・低光度。恒星の最終段階(太陽程度以下の質量)。
恒星のスペクトル型(温度による分類): O・B・A・F・G・K・M型(高温→低温の順)。太陽はG型(約5800K)。O型は約30000K以上(青白)、M型は約3500K以下(赤)。
等級: 見かけの等級(地球から見た明るさ)と絶対等級(10パーセクの距離に置いた場合の等級)がある。
HR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図。横軸:温度、縦軸:光度)
主系列星(水素核融合中の安定した恒星。HR図の主系列に分布)
赤色巨星(水素枯渇後に膨張した恒星。低温・大光度)
白色矮星(太陽程度以下の恒星の最終段階。高温・低光度・地球サイズ)
スペクトル型(O・B・A・F・G・K・M。高温→低温。太陽はG型)
絶対等級(10パーセク=32.6光年の距離に置いた場合の等級。本来の明るさ)
深掘り (背景・意義)
HR図は20世紀初頭にデンマークのヘルツシュプルングとアメリカのラッセルが独立に発見しました。このシンプルな図は恒星物理学の「地図」であり、恒星がどのような状態にあるかを一目で示します。
主系列の位置は恒星の質量で決まります。質量の大きい恒星ほど左上(高温・高光度)に位置し、核融合が速く進むため寿命が短くなります。太陽の寿命は約100億年ですが、太陽の10倍の質量の恒星は約1000万年しか生きられません。
色指数(B帯とV帯の等級の差)は恒星の色(温度)を定量的に表す指標です。青い恒星はB-V値が小さく、赤い恒星は大きくなります。現代天文学ではCCDや分光器を使って多数の恒星を精密に分類し、HR図上の進化の軌跡が理論モデルと比較されています。
- HR図=横軸:温度(右が低温)・縦軸:光度(上が高輝度)
- 主系列=左上から右下の帯状領域
- 太陽=主系列・G型・約5800K
- 赤色巨星=低温・大光度・右上
- 白色矮星=高温・低光度・左下
- スペクトル型:O-B-A-F-G-K-M(高温→低温)
- 質量大=左上・短命/質量小=右下・長命
注意点 (混同しやすい)
① HR図の横軸は右が低温(通常のグラフと逆)。② 主系列は恒星の種類ではなく「進化の段階」(水素燃焼期)。③ 見かけの等級(距離依存)と絶対等級(本来の明るさ)は別。④ スペクトル型O型が最も高温、M型が最も低温。
練習
- HR図の横軸と縦軸が表す物理量をそれぞれ答えなさい。
- 太陽はHR図上のどの領域に位置するか。またスペクトル型は何型か。
- スペクトル型O・B・A・F・G・K・Mのうち最も表面温度が高いのはどれか。