恒星の進化と最終段階
恒星は誕生から死まで、質量に応じた決まった道筋をたどります。恒星の質量は進化の速度と最終的な姿を決定する最重要パラメータです。
基本知識
恒星は星間雲(ガス・ダスト)が重力収縮して生まれます。
太陽程度の質量の恒星の進化:
原始星 → 主系列星(水素核融合・約100億年) → 赤色巨星(水素枯渇・外層膨張) → 惑星状星雲(外層を放出) → 白色矮星(核が残る・冷え続ける)
太陽の8倍以上の質量の恒星の進化:
主系列星 → 赤色超巨星 → 超新星爆発(Type II超新星)→ 中性子星またはブラックホール(質量による)
中性子星は直径約20kmで密度が原子核と同程度(1cm³が約10億トン)の超高密度天体です。パルサー(規則的な電波パルスを放出する回転中性子星)として観測されることがあります。
ブラックホールは脱出速度が光速を超えるため、光さえも逃げられない領域です。
主系列星(水素核融合が進行中の安定段階。一生の大半を占める)
赤色巨星/赤色超巨星(水素枯渇後の膨張段階。太陽型/大質量型)
惑星状星雲(太陽程度の恒星が外層を放出してできたガス状天体)
白色矮星(太陽程度以下の恒星の最終形。地球サイズ・高温・高密度)
超新星爆発(大質量星の最期の大爆発。宇宙に重元素を散布する)
中性子星・ブラックホール(超新星後の残骸。質量により決まる)
深掘り (背景・意義)
恒星の進化は単に「死」ではなく、宇宙の物質サイクルの一部です。恒星内部の核融合反応でH→He→C・N・O→より重い元素と合成が進み、超新星爆発の際に鉄より重い元素(金・白金・ウランなど)も合成されて宇宙空間に散布されます。これらの元素が次世代の星や惑星、生命の材料になります。「私たちの体を作る重元素は恒星が作った」という事実は宇宙との繋がりを示す重要なポイントです。
2017年、中性子星合体(重力波イベントGW170817)の電磁波対応天体が観測され、金・白金などのr過程元素が合成される瞬間が初めて捉えられました。
太陽は約50億年後に赤色巨星となり、現在の半径の約200倍に膨張します。地球の軌道はその外縁付近になり、地球表面の水は蒸発して生命は生存不能になります。しかし宇宙スケールでは、これもありふれた恒星進化の一幕に過ぎません。
- 太陽程度→赤色巨星→惑星状星雲→白色矮星
- 8倍以上の大質量→赤色超巨星→超新星→中性子星orブラックホール
- 超新星爆発で重元素が宇宙に散布される
- 中性子星=直径約20km・超高密度
- ブラックホール=光も逃げられない
- 太陽の寿命はあと約50億年
- 我々の体の重元素は恒星由来
注意点 (混同しやすい)
① 惑星状星雲は惑星とは無関係。外層ガスが電離発光する天体。② 白色矮星(太陽型の最終形)と中性子星/ブラックホール(大質量星の最終形)を質量で区別。③ 超新星はType Ia(白色矮星の爆発)とType II(大質量星)があるが、高校基礎ではType IIが中心。④ 赤色巨星(太陽型)と赤色超巨星(大質量型)は別の段階。
練習
- 太陽程度の質量の恒星の最終的な姿を答えなさい。
- 太陽の8倍以上の質量の恒星は超新星爆発の後どのような天体になるか(2種類)。
- 恒星の超新星爆発が宇宙にとって重要な理由を答えなさい。