高校発展 / 古気候と古海洋 2 / 6

氷期と間氷期のサイクル (ミランコビッチサイクル)

氷期と間氷期のサイクル (ミランコビッチサイクル)

過去約260万年間(第四紀)は氷期と間氷期が繰り返されています。その周期性を地球軌道の変化(ミランコビッチサイクル)から説明するのが現代の標準理論です。

基本知識

ミランコビッチサイクル(ミランコビッチ理論)は、地球の公転軌道と自転軸の変化が太陽放射の季節・緯度分布を変え、氷期-間氷期サイクルを引き起こすという理論です。3つの軌道変動が組み合わさっています。

離心率(離心率変動):地球の公転軌道の楕円形の度合いが変化。周期約10万年・40万年。②自転軸の傾き(黄道傾斜角):現在約23.4°で21.5〜24.5°の範囲で変化。周期約4.1万年。傾きが大きいほど季節差が大きい。③歳差運動(自転軸の首振り):こまのような軸の向きの変化。周期約2.3万年・1.9万年

3つの変動が重なると北半球の夏の日射量が大きく変動します。夏の日射量が弱い時期に雪が融けず残りやすく、アルベドの上昇(雪・氷が太陽光を反射)が正のフィードバックとなって氷期に入ります。最後の氷期は約2万年前が最寒冷期で、現在は間氷期(完新世)にあります。

例題
ミランコビッチサイクルの3要素を挙げ、最も長い周期の変動とその周期を答えなさい。
解答: 3要素は①離心率変動(約10万年・40万年)、②黄道傾斜角変動(約4.1万年)、③歳差運動(約2.3万年・1.9万年)。最も長い周期は離心率変動の約40万年(または主要サイクルとして約10万年が支配的)。
ポイント
  • ミランコビッチサイクル:地球軌道・自転軸変化による日射量変動
  • 離心率変動:周期 約10万年・40万年
  • 黄道傾斜角変動:周期 約4.1万年・傾き大=季節差大
  • 歳差運動:周期 約2.3万年・1.9万年
  • 北半球夏の日射量減少→雪が残る→アルベド増加→氷期
  • 最終氷期最寒冷期:約2万年前
  • 現在は完新世(最終氷期後の間氷期)

注意点

① ミランコビッチサイクルは「日射量を変える」だけで、CO₂・アルベドフィードバックで実際の温度変化が増幅される。② 約10万年の氷期サイクルが最も顕著だが、離心率変動だけでは日射量変化が小さく「10万年問題」として研究継続中。③ 歳差運動は自転軸の傾き角度ではなく向きの変化(コマの首振り)。

練習

  1. ミランコビッチサイクルを構成する3つの地球軌道変動を答えなさい。
  2. 氷期に入るきっかけとなる北半球のどの季節の日射量変化が重要か。
  3. 最終氷期の最寒冷期はおよそ何万年前か。

このレッスンのQ&A

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