中央アジア / シルクロードと遊牧民の世界 4 / 6

宗教と文化の伝播

宗教と文化の伝播

シルクロードは商品だけでなく、宗教・思想・技術・芸術を運ぶ「文化の回廊」でもありました。仏教・ゾロアスター教・マニ教・景教(ネストリウス派キリスト教)がこの道を通じて中央アジア・中国へ伝わりました。

仏教の東漸

  • 仏教はインド起源。前1世紀頃から中央アジア経由で中国へ伝わった(漢代)
  • 玄奘(げんじょう)三蔵(602〜664):唐の僧。シルクロードを通じてインドへ巡礼し、仏典を中国へ持ち帰った(『大唐西域記』)。西遊記の主人公「三蔵法師」のモデル
  • 中央アジアのクチャ(亀茲)・ホータン・ドゥンファン(敦煌)では多数の仏教石窟が造営された
  • 敦煌莫高窟:世界最大規模の仏教石窟群。絵画・彫刻・文書(敦煌文書)の宝庫

ゾロアスター教とマニ教

  • ゾロアスター教:イラン起源の古代宗教。善神アフラ・マズダと悪神アンリ・マンユの二元対立。ペルシア帝国の国教として繁栄。ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教の「最後の審判」「天国と地獄」観念に影響を与えたとされる
  • マニ教:3世紀にペルシア(イラン)のマニが創始した宗教。ゾロアスター教・仏教・キリスト教を融合。ウイグル帝国(8〜9世紀)が国教として採用し、中央アジアを通じて中国にも伝わった
📘 重要事項
景教(ネストリウス派):431年のエフェソス公会議で異端とされたキリスト教の一派。ペルシア・中央アジアを経て唐代の中国に伝わり、大秦景教流行中国碑(781年建立、現在の西安に現存)に記録されている。中国では「景教」と呼ばれた。シルクロードによる宗教伝播の典型例。

技術の伝播

製紙法(中国発明→751年タラス河畔の戦いでアラブ人がとらえた技術者から学ぶ→イスラーム世界→ヨーロッパへ)や火薬・羅針盤・印刷術(中国発明)が西方へ伝わり、ヨーロッパの発展に貢献しました。

練習

  1. 玄奘三蔵がインドへ旅した目的と、著した書物の名前を答えなさい。
  2. 751年のタラス河畔の戦いが「文化史的に重要」とされる理由を答えなさい。
  3. マニ教がウイグル帝国に与えた影響を答えなさい。
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このレッスンのQ&A

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