大正の文化と社会運動
大正期は労働運動・農民運動・女性解放運動が活発化し、人々が「自分たちの権利」を主張し始めた時代でした。文学・芸術でも新たな潮流が生まれます。
基本知識
労働運動では1912年に鈴木文治が友愛会を結成、1921年に日本労働総同盟と改称し本格的労働組合の中心となりました。農村では小作料の引き下げを求める小作争議が頻発し、1922年に日本農民組合(賀川豊彦・杉山元治郎)が結成されます。女性運動では平塚らいてうが1911年に文芸誌『青鞜』を創刊、「元始女性は太陽であった」と宣言。1920年には新婦人協会(平塚・市川房枝)、1924年に婦人参政権獲得期成同盟が結成され、参政権を求めました。
📘 大正の文学・思想
白樺派 武者小路実篤・志賀直哉・有島武郎(人道主義・理想主義)
新思潮派 芥川龍之介『羅生門』『鼻』『地獄変』
耽美派 谷崎潤一郎『刺青』
プロレタリア文学 小林多喜二『蟹工船』、葉山嘉樹『海に生くる人々』
児童文学 鈴木三重吉『赤い鳥』、北原白秋(童謡)
美術 岸田劉生『麗子像』、横山大観(日本画)
白樺派 武者小路実篤・志賀直哉・有島武郎(人道主義・理想主義)
新思潮派 芥川龍之介『羅生門』『鼻』『地獄変』
耽美派 谷崎潤一郎『刺青』
プロレタリア文学 小林多喜二『蟹工船』、葉山嘉樹『海に生くる人々』
児童文学 鈴木三重吉『赤い鳥』、北原白秋(童謡)
美術 岸田劉生『麗子像』、横山大観(日本画)
深掘り (背景・影響)
1922年、奈良で全国水平社が結成され、被差別部落の解放運動が組織化されます。創立大会の水平社宣言(西光万吉起草)は「人の世に熱あれ、人間に光あれ」で結ばれ、日本初の人権宣言とされます。また1923年には北海道アイヌ協会の前身が結成。学問では柳田國男が民俗学を確立し、『遠野物語』を著しました。哲学では西田幾多郎『善の研究』が西洋哲学と東洋思想の融合を試み、京都学派を形成します。教育では新教育運動(自由教育)が起こり、自由学園・成城小学校など独自校が設立されました。
💡 ポイント
- 友愛会(1912)→日本労働総同盟(1921・鈴木文治)
- 日本農民組合(1922)=賀川豊彦・杉山元治郎
- 『青鞜』(1911)=平塚らいてう、「元始女性は太陽であった」
- 全国水平社(1922)=水平社宣言(西光万吉)
- 白樺派=武者小路実篤・志賀直哉
- 芥川龍之介=新思潮派、『羅生門』
- 西田幾多郎=『善の研究』、京都学派
注意点 (混同しやすい)
① 平塚らいてう(青鞜社1911・新婦人協会1920)と市川房枝(新婦人協会・婦選運動・戦後参議院議員)はセットだが役割が違う。② 白樺派(人道主義・志賀直哉)とプロレタリア文学(社会主義・小林多喜二)は思想的に正反対。③ 柳田國男(民俗学)と西田幾多郎(哲学)は分野が違う。④ 『青鞜』(1911・文芸誌)と新婦人協会(1920・運動団体)は別組織で別の年。
練習
- 1922年結成の全国水平社の宣言を起草した人物は。
- 『青鞜』を創刊した女性運動家は誰か。
- 『蟹工船』を著したプロレタリア文学の代表的作家は。