物質の分離と精製
混合物から目的の純物質を取り出す操作が分離、不純物を取り除いてより純粋にすることを精製といいます。代表的な分離法を整理しましょう。
基本知識
主な分離操作:
① ろ過: ろ紙を通して固体と液体を分ける。例: 砂と水の分離。
② 蒸留: 沸点の違いを利用し、液体を気体にしてから冷やして液体に戻す。例: 海水から純水を作る。
③ 分留: 沸点差を利用して液体混合物を成分ごとに蒸留。例: 石油の分留(ガソリン・灯油・軽油)。
④ 再結晶: 温度による溶解度の差を利用。例: 硝酸カリウムと塩化ナトリウムの分離。
⑤ 抽出: 特定の溶媒に溶ける性質の違いを利用。例: お茶を熱湯で抽出。
⑥ 昇華法: 昇華しやすい物質(ヨウ素・ナフタレン・ドライアイス)を固体から気体に直接して分離。
⑦ クロマトグラフィー: 吸着・分配の違いを利用し成分を分ける。色素の分離など。
ろ過(ろ紙で固液分離。砂と水)
蒸留(沸点差で液体を気化・凝縮させて分離)
分留(沸点差を利用し連続的に蒸留。石油精製)
再結晶(温度による溶解度差で結晶化させ純度を上げる)
抽出(特定溶媒への溶けやすさの差で目的物質を取り出す)
昇華法(昇華しやすい物質を気体にして分離。ヨウ素・ナフタレン)
深掘り (背景・意義)
蒸留装置の正しい使い方は試験の必出ポイントです。温度計の球部は枝の付け根に合わせる(出てくる蒸気の温度を測るため)、沸騰石を入れる(突沸防止)、三角フラスコ(受器)は密栓しない(圧力で破裂を防ぐ)、リービッヒ冷却器は下から上へ水を流す(逆流して効率向上)、これらはすべて理由を説明できるようにしておくと得点しやすいです。
分留塔(精留塔)は、原油の沸点差を利用して沸点の高い順に下から残渣油、潤滑油、軽油、灯油、ナフサ、石油ガスへと分けます。再結晶では「温度を上げると溶解度が大きく変化する物質ほど効率よく純粋な結晶が得られる」と覚えておきましょう。
- ろ過=固体と液体(砂と水)
- 蒸留=沸点差。温度計は枝の付け根
- 分留=石油精製で重要。沸点の高い順に下に残る
- 再結晶=温度による溶解度差を利用
- 抽出=溶けやすさの差(お茶・コーヒー)
- 昇華法=ヨウ素・ナフタレン・ドライアイス
- クロマトグラフィー=色素分析・血液検査でも応用
注意点 (混同しやすい)
① 蒸留(1段階)と分留(連続多段階)は近いが別操作。② ろ過は固液分離、蒸留は液液(沸点差)分離。③ 抽出は固体・液体どちらから取り出す場合でも使う(コーヒー豆も抽出)。④ 冷却器の水は下から上。実験器具の扱いは試験で問われる定番。
練習
- 砂と食塩水を分離するには、まず何の操作を行うか。
- 原油から灯油やガソリンを分けるのに使う方法を答えなさい。
- ヨウ素やナフタレンを純物質として取り出すのに適した分離法は何か。