中学 / 生物の観察と分類 5 / 6

種子をつくらない植物・生物の分類

種子をつくらない植物・生物の分類

植物の中には種子ではなく胞子でふえるものがあります。さらに広く、生物全体の分類体系も見ていきましょう。

基本知識

種子をつくらない植物:
シダ植物 (Pteridophytes): 維管束あり・根茎葉の区別あり・胞子でふえる。例: イヌワラビ・ゼンマイ・スギナ・ワラビ
コケ植物 (Bryophytes): 維管束なし・根茎葉の区別が明確でない・胞子でふえる・仮根で体を固定。例: ゼニゴケ・スギゴケ
胞子は胞子のう(シダではソーラスとして葉の裏に集まる)で作られ、風で散布されて新しい個体になります。
植物界全体の階層:
植物界 → (種子植物: 被子植物・裸子植物 / 種子をつくらない植物: シダ・コケ)
さらに生物界全体は五界説などで、植物・動物・菌類・原生生物・原核生物に分けられます。

📘 重要用語
シダ植物 (Pteridophytes)(維管束あり・胞子生殖。イヌワラビ・スギナ)
コケ植物 (Bryophytes)(維管束なし・仮根。ゼニゴケ・スギゴケ)
胞子 (spore)(種子に代わる生殖細胞。1個の細胞)
胞子のう (sporangium)(胞子をつくる袋状の器官)
仮根 (rhizoid)(コケ植物が体を固定するための毛状の構造。水分吸収はしない)
分類階級(界 → 門 → 綱 → 目 → 科 → 属 → 種)

深掘り (背景・意義)

進化の順番では コケ植物 → シダ植物 → 裸子植物 → 被子植物。コケは約4億7000万年前にもっとも早く陸上に進出した植物の祖先と関係が深く、シダは石炭紀(約3億年前)に巨大化して石炭の原料になりました。
コケ植物は維管束を持たないため水分を全身で直接吸収します。だから乾燥に弱く、湿った場所に多く見られます。仮根は「根の代わり」ではなく主に体を地面に固定するだけです。
分類学の階級(界・門・綱・目・科・属・種)はリンネが18世紀に提案し、現在も生物学の基礎です。種の学名は二名法(属名 + 種小名)で表記され、ヒトは Homo sapiens となります。
近年は3ドメイン説(細菌・古細菌・真核生物)が分子生物学の進歩により標準的になり、五界説より上位の分類として広く認められています。

💡 ポイント
  • 種子をつくらない植物=シダ植物・コケ植物
  • シダ植物=維管束あり・葉裏にソーラス
  • コケ植物=維管束なし・仮根で固定
  • 胞子で殖える(種子ではない)
  • 植物の進化順: コケ→シダ→裸子→被子
  • 分類階級: 界門綱目科属種
  • 二名法: 属名+種小名(イタリック)

注意点 (混同しやすい)

シダ植物には維管束があるコケ植物には維管束がない。間違えやすいので注意。② コケの仮根は水を吸わない。あくまで固定用。③ 胞子は1個の細胞、種子は胚と胚乳と種皮を持つ複雑な構造で別物。④ 「シダ・コケ」と「裸子・被子」の決定的違いは種子をつくるかどうか

練習

  1. コケ植物に維管束はあるか、ないか。
  2. シダ植物の葉の裏に見られる、胞子のうの集まりを何と呼ぶか。
  3. 進化の順序を「コケ・シダ・被子・裸子」を正しい順に並べなさい。
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このレッスンのQ&A

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