人間活動と環境問題
人間活動の急拡大は生態系に大きな負荷をかけ、地球温暖化、生物多様性の喪失、外来種問題など深刻な環境問題を引き起こしています。
基本知識
地球温暖化:
大気中の温室効果ガス(CO2・CH4・N2O・水蒸気・フロン類)が増加し、地球の平均気温が上昇する現象。産業革命以降のCO2濃度は約280ppm→420ppm超に増加。気候変動・海面上昇・極端気象・生態系移動を引き起こす。
オゾン層破壊: フロンが成層圏でオゾン(O3)を破壊し、紫外線が地表に届きやすくなる。南極上空のオゾンホール。1987年モントリオール議定書でフロン規制。
酸性雨: SO2・NOxが水蒸気と反応し、pH5.6以下の雨が降る。森林の枯死・湖沼の魚類死滅。
生物多様性の喪失: 開発・農地拡大・気候変動・乱獲などで種が絶滅。現在の絶滅速度は自然状態の100〜1000倍。レッドリスト(IUCN作成)で危急種を分類。
外来種(侵略的外来種): 人為的に持ち込まれた地域外の生物。在来種を圧迫し生態系を撹乱。例: オオクチバス・ブルーギル・アライグマ・セイタカアワダチソウ・カミツキガメ。2005年外来生物法で特定外来生物を指定。
生物濃縮: 食物連鎖の上位ほど有害物質(DDT・PCB・水銀)が高濃度に蓄積。水俣病(有機水銀)の原因。
地球温暖化(温室効果ガス増加で平均気温が上昇する現象)
温室効果ガス(CO2・CH4・N2O・水蒸気・フロン)
オゾン層破壊(フロンがO3を破壊・モントリオール議定書1987)
外来種(人為的に持ち込まれた地域外の生物)
特定外来生物(外来生物法で指定された生態系に被害をもたらす種)
生物濃縮(食物連鎖の上位で有害物質が高濃度に蓄積する現象)
レッドリスト(絶滅危惧種のリスト。IUCNと環境省が作成)
深掘り
温室効果ガスのうちCO2は人為排出量が圧倒的に多く、温暖化への寄与度も最大です。しかしメタン(CH4)は分子1個あたりの温室効果がCO2の約25倍、N2O(亜酸化窒素)は約300倍も強力で、家畜のげっぷ(メタン)や農業肥料(N2O)が問題です。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、人為起源の温暖化が「疑う余地がない」と結論付けています。
生物多様性は次の3階層で捉えます。
① 種の多様性(様々な生物種が存在)
② 遺伝的多様性(同種内で遺伝子のばらつき)
③ 生態系の多様性(森林・湿地・サンゴ礁など多様な生態系)
1992年生物多様性条約で国際的枠組みが整い、2010年に名古屋でCOP10(愛知目標)、2022年に昆明・モントリオール枠組み(30 by 30=2030年までに陸海30%を保全)が採択されました。生物濃縮で有名な水俣病は1956年公式確認、化学工場排水中のメチル水銀が海洋食物連鎖で1万倍以上に濃縮されました。
- 地球温暖化=温室効果ガス増加(CO2・CH4・N2O・フロン)
- オゾン層破壊=フロン由来(モントリオール議定書1987)
- 酸性雨=SO2・NOx由来
- 生物多様性=種・遺伝子・生態系の3階層
- 生物多様性条約1992・愛知目標2010
- 特定外来生物=オオクチバス・アライグマなど
- 生物濃縮=食物連鎖上位で高濃度蓄積(水俣病)
注意点
① 温暖化(CO2等)とオゾン層破壊(フロン)は別問題。フロンは両方に関わるが主原因は別。② 外来種でも国内移動(本州→沖縄等)も含む。国外由来だけではない。③ 生物濃縮は分解されにくい脂溶性物質で起こる(DDT・PCB・水銀)。④ レッドデータブックとレッドリストは厳密には異なる(リストは種名・ブックは詳細情報集)。
練習
- 地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの代表例を3つ答えなさい。
- 食物連鎖の上位ほど有害物質が高濃度に蓄積する現象を何というか。
- 2005年に施行された、特定外来生物を指定する日本の法律は何か。