高校基礎 / 生物の特徴と多様性 4 / 6

光合成と呼吸 エネルギーの流れ

光合成と呼吸 エネルギーの流れ

生物界のエネルギーは、植物の光合成で太陽光から取り込まれ、すべての生物の呼吸で消費されます。代謝の二大反応をまとめて学びましょう。

基本知識

光合成: 葉緑体で、光エネルギーを使って二酸化炭素と水から有機物(グルコース)を合成する反応。
反応式: 6CO2 + 6H2O + 光エネルギー → C6H12O6 + 6O2
光合成は光エネルギーを化学エネルギー(有機物の結合エネルギー)に変換する反応で、地球上のほぼすべての生物のエネルギー源です。
呼吸: ミトコンドリアで、有機物を分解してATPを作る反応。
反応式: C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O + エネルギー(ATP)
光合成と呼吸はちょうど逆向きの反応式になっていますが、実際の経路はまったく異なります。呼吸は解糖系→クエン酸回路→電子伝達系の3段階で進み、1分子のグルコースから最大約38分子のATPを生産します。

📘 重要用語
光合成(CO2+H2O+光→グルコース+O2、葉緑体で進行)
呼吸(グルコース+O2→CO2+H2O+ATP、ミトコンドリアで進行)
クロロフィル(光合成色素。葉緑体のチラコイドに存在)
独立栄養生物(自分で有機物を作る生物。植物・藻類・一部の細菌)
従属栄養生物(他の生物から有機物を得る生物。動物・菌類)
発酵(酸素を使わず有機物を分解しATPを得る経路。アルコール発酵・乳酸発酵)
解糖系(細胞質基質でグルコースをピルビン酸に分解する経路)

深掘り

光合成の本質は光エネルギーを化学エネルギーに変換することです。クロロフィルが光子を吸収して励起電子を放出し、その電子が電子伝達系を流れる過程でATPとNADPHを作ります(明反応)。そのエネルギーでCO2からグルコースを合成します(カルビン回路=暗反応)。明反応はチラコイド膜、暗反応はストロマで進みます。
呼吸の本質は有機物の酸化(電子の取り出し)です。グルコース(C-Hが多く還元的)を最終的にCO2とH2O(完全酸化)まで分解するときに、電子が高エネルギーから低エネルギーへ移動し、その差分のエネルギーでATPを合成します。電子の最終受容体は酸素で、これが「酸素呼吸」と呼ばれる所以です。
酸素がない環境では発酵が行われます。例: 酵母のアルコール発酵(グルコース→エタノール+CO2)、乳酸菌の乳酸発酵(グルコース→乳酸)。発酵は解糖系のみで進み、ATPの収量は呼吸より遥かに少ない(約2分子)が、酸素なしでも生きられる利点があります。激しい筋運動でも一時的に乳酸発酵が起こり、筋肉痛の原因のひとつとされていました(現在は乳酸自体ではなく別要因とする見方が主流)。

💡 ポイント
  • 光合成=6CO2+6H2O+光→C6H12O6+6O2
  • 呼吸=C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O+ATP
  • 光合成は葉緑体、呼吸はミトコンドリア
  • 呼吸=解糖系・クエン酸回路・電子伝達系の3段階
  • 呼吸はグルコース1分子から約38ATP
  • 独立栄養(植物)と従属栄養(動物)
  • 発酵=酸素なし、ATP収量は少ない(約2)

注意点

光合成(同化・吸エネルギー)と呼吸(異化・発エネルギー)は逆向きの反応式だが、実際の経路は別物。② 植物も呼吸している。日中は光合成量が呼吸量を上回るが、夜間は呼吸のみ。③ 明反応(チラコイド・光必要)と暗反応(カルビン回路)(ストロマ・光不要)。暗反応は「暗くても進む」だけで、実際には明所でも進行する。④ 発酵は酸素を使わない代謝で、ATP収量が低いが、酸素ゼロ環境で重要。

練習

  1. 光合成の反応式を矢印を使って書きなさい(物質名と分子数を含む)。
  2. 呼吸の3段階の名称をすべて答えなさい。
  3. 酸素を使わずグルコースを分解しエタノールを作る代謝経路を何というか。
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このレッスンのQ&A

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