エントロピーと自由エネルギー
反応が自発的に進むかどうかは ΔH だけでは決まりません。エントロピー S(乱雑さ)とギブズ自由エネルギー Gが鍵を握ります。
基本知識
エントロピーは系の乱雑さ・微視的状態数の対数(S=kBln W)として定義される状態量。気体>液体>固体の順で大きく、温度上昇・気体分子数増加・溶解で増加します。
ギブズ自由エネルギー G = H - TS。定温定圧条件で、ΔG < 0なら反応は自発的に進みます。
ΔG = ΔH - TΔS。発熱(ΔH<0)かつエントロピー増大(ΔS>0)ならΔGは常に負で自発反応。発熱だがΔS<0なら低温で自発、吸熱だがΔS>0なら高温で自発、発熱でも吸熱でもΔSが小さく逆向きなら非自発。
📘 重要用語・公式
エントロピー S(系の乱雑さ。S=kBln W)
熱力学第二法則(孤立系のΔS≥0)
ギブズ自由エネルギー G(G=H-TS)
ΔG=ΔH-TΔS(定温定圧の自発性判定)
平衡条件(ΔG=0)
標準状態(25℃, 1 atm, 標準状態のΔG°)
エントロピー S(系の乱雑さ。S=kBln W)
熱力学第二法則(孤立系のΔS≥0)
ギブズ自由エネルギー G(G=H-TS)
ΔG=ΔH-TΔS(定温定圧の自発性判定)
平衡条件(ΔG=0)
標準状態(25℃, 1 atm, 標準状態のΔG°)
深掘り (原理・応用)
氷が0℃以上で溶けるのは、融解でΔS>0でTΔSがΔHを上回るためです。0℃ではΔG=0(平衡)。冷蔵庫が外気より冷えるのは、電気仕事で逆向きにエントロピーを輸送しているからで、第二法則に反していません。
生命現象は局所的にエントロピーを減らす(秩序化する)ように見えますが、廃熱として周囲のエントロピーを増やすため、全体としては第二法則を満たしています。
💡 ポイント
- エントロピー=乱雑さ
- 気体>液体>固体
- ΔG<0で自発反応
- ΔG=ΔH-TΔS
- ΔH<0かつΔS>0は常に自発
- ΔH>0でΔS>0は高温で自発
- ΔG=0で平衡
注意点 (混同しやすい・頻出ミス)
① ΔSは J/K(エネルギーではない)、ΔHは kJ。単位を揃えて計算する。② 自発性=「速度」ではなく「方向性」。自発でも反応が遅いことはある(触媒で加速)。③ 第二法則は孤立系あるいは宇宙全体について成立。生命系は開放系なので局所的に S↓は可能。④ ΔG=0は平衡。
練習
- 水の蒸発(液→気)のΔSは正・負・ゼロのどれか、理由を述べよ。
- ΔH=+44 kJ/mol, ΔS=+118 J/(K·mol)の水の蒸発が標準大気圧下で自発になる最低温度を求めよ。
- ΔG=ΔH-TΔSにおいて、ΔH<0, ΔS<0の反応はどの温度で自発になるか。