高校発展 / 反応速度と化学平衡 4 / 6

ルシャトリエの原理

ルシャトリエの原理

平衡状態にある系に外部から濃度・圧力・温度の変化が加わると、その変化を打ち消す方向に平衡が移動します。これがルシャトリエの原理(平衡移動の原理)です。

基本知識

影響因子と平衡移動:
濃度: 反応物を増やすと正方向、生成物を増やすと逆方向に移動
圧力: 圧力を上げると気体分子数が減る方向に移動(液固体や両辺分子数同数では無効)
温度: 温度を上げると吸熱方向に移動
触媒: 平衡位置は変えない(到達時間のみ短縮)
不活性ガス追加: 体積一定なら無効、定圧で体積膨張なら分子数が多い方向へ移動

📘 重要原理
ルシャトリエの原理(変化を緩和する方向に平衡が移動)
濃度変化(増加成分を減らす方向)
圧力変化(モル数の少ない方向に移動)
温度変化(吸熱方向に移動して緩和)
ハーバー法(高圧・低温有利だが、速度のため触媒で妥協)
接触法(V2O5でSO2→SO3。発熱で低温有利だが速度確保のため約450℃)

深掘り (原理・応用)

ハーバー・ボッシュ法(N2+3H2⇌2NH3, ΔH<0)は、平衡論的には低温・高圧が有利ですが、低温では速度が遅すぎるため500℃前後・約200気圧+Fe触媒で妥協しています。
接触法もSO2+½O2⇌SO3(ΔH<0)で、平衡は低温有利、速度は高温有利という競合があり、約450℃のV2O5触媒系で実用化されています。「平衡と速度の二律背反」が工業化学のキーポイントです。

💡 ポイント
  • 原理: 変化を緩和する方向
  • 濃度↑ ⇒ 消費方向
  • 圧力↑ ⇒ 分子数少ない方向
  • 温度↑ ⇒ 吸熱方向
  • 触媒は無効(平衡位置)
  • ハーバー法=高圧・中温
  • 接触法=中温・触媒

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 圧力変化は気相のモル数差を見る。両辺同数なら無効。② 温度変化はK そのものを変えるが、濃度・圧力変化はKを変えない(濃度比を変えるだけ)。③ 不活性ガス追加: 体積一定なら無効。④ 触媒は速度を変えるが平衡位置は変えない。

練習

  1. N2+3H2⇌2NH3(ΔH<0)の平衡で、(a)圧力↑、(b)温度↑、(c)Fe触媒添加、それぞれで平衡はどう移動するか。
  2. 圧力変化が平衡に影響しない反応の例を1つ挙げよ。
  3. ハーバー法で500℃という温度が選ばれている理由を平衡と速度の両面から説明せよ。
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このレッスンのQ&A

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