波の重ね合わせと干渉
2つの波が同じ場所にいるとき、どうなるのでしょうか。重ね合わせの原理と干渉を学びます。
基本知識
重ね合わせの原理: 2つ以上の波が重なった点の変位は、それぞれの変位の代数和になる。波は互いを通り抜けた後、元の波形に戻る。
重ね合わせの結果:
・強め合い (constructive interference): 山と山(谷と谷)が重なると変位が大きくなる
・弱め合い (destructive interference): 山と谷が重なると変位が小さくなる(打ち消し合う)
定常波 (stationary wave): 同じ振幅・波長・振動数で逆向きに進む2つの波が重なると、一見動かない波のように見える定常波ができる。
・節 (node): 常に変位がゼロの点
・腹 (antinode): 最大変位で振動する点
隣り合う節と節、腹と腹の間隔はいずれも λ/2 です。
重ね合わせの原理(変位の代数和。波は通過後に元に戻る)
干渉 (interference)(2つの波が重なって強め合い・弱め合いを起こす現象)
定常波 (stationary wave)(逆向きの同じ波が重なってできる動かない波)
節 (node)(定常波で変位が常にゼロの点)
腹 (antinode)(定常波で変位が最大になる点)
経路差(2つの波源からある点までの距離の差)
深掘り (背景・意義)
2点の波源 S₁、S₂ から出た波の干渉条件:
・強め合い: 経路差 = mλ (m は整数、同位相の場合)
・弱め合い: 経路差 = (m + 1/2)λ
弦楽器の音は定常波を利用しています。弦の両端が固定端(節)、その間に腹が生じます。弦の長さ L = nλ/2 (n = 1, 2, 3…) を満たす振動数が共鳴(共振)します。n = 1 が基本振動、n = 2, 3, … が倍音です。
光の干渉は薄膜(シャボン玉の虹色)やスリット実験で観察できます。ヤングの二重スリット実験では明暗の縞が生じ、光の波動性の証拠となりました。
ノイズキャンセリングヘッドフォンは逆位相の音波を合成して騒音を打ち消す、弱め合い干渉の実用例です。
- 重ね合わせ: 変位の代数和
- 強め合い: 山+山、谷+谷
- 弱め合い: 山+谷
- 定常波: 逆向き同波形の重ね合わせ
- 節と腹の間隔 = λ/4
- 隣り合う節(腹)の間隔 = λ/2
- 弦の共鳴: L = nλ/2
注意点 (混同しやすい)
① 重ね合わせは変位の代数和(向きを考慮)。振幅の単純な足し算ではない。② 定常波は「進まない波」ではなく「2つの進行波の重ね合わせ」。③ 節と節の間隔は λ/2、節と腹の間隔は λ/4。④ 経路差の干渉条件は波源が同位相のとき。逆位相のときは強弱の条件が入れ替わる。
練習
- 定常波の隣り合う節と節の間隔が 0.4 m のとき、元の波の波長を求めなさい。
- 山と谷が重なったとき、変位はどうなるか。
- 弦の長さが 0.6 m で基本振動しているとき、波長を求めなさい。