磁場・電流と磁場・電磁誘導
電気と磁気は深く結びついています。電流が磁場を作り、磁場の変化が電流を生みます。
基本知識
磁場 (magnetic field, B): 磁石や電流の周囲に生じる場。単位 T(テスラ)。
磁力線: N 極から出て S 極に入る閉曲線
電流と磁場:
・直線電流の磁場: 右ねじの法則(電流の方向に右ねじを進めたときの回転方向が磁場の向き)
・ソレノイド(コイル)の磁場: 右手で巻き方向に4本指を向けると親指が N 極の方向
電流が磁場から受ける力 (ローレンツ力):
F = BIL (B: 磁場、I: 電流、L: 導線の長さ)
向き: フレミングの左手の法則(中指: 電流、人差し指: 磁場、親指: 力)
電磁誘導: コイルを貫く磁束が変化すると起電力が生じる(ファラデーの法則)
レンツの法則: 誘導電流は磁束の変化を妨げる向きに流れる
磁場 (magnetic field, B)(磁石・電流の周囲の場。単位 T(テスラ))
右ねじの法則(直線電流とその周囲の磁場の方向関係)
フレミングの左手の法則(電流・磁場・力の方向を左手で表す規則)
電磁誘導(磁束の変化で起電力が生じる現象。発電機の原理)
レンツの法則(誘導電流は磁束変化を妨げる向きに流れる)
磁束 (Φ)(コイルを貫く磁場の総量。Φ = BS [Wb])
深掘り (背景・意義)
フレミングの左手則(電動機・モーター)と右手則(発電機)を区別します。左手: 電流→力(モーター)、右手: 力→電流(発電機)です。
ファラデーの電磁誘導の法則: 誘導起電力 ε = −ΔΦ/Δt (磁束の時間変化率)。マイナス符号がレンツの法則を表します。
変圧器(トランス)は電磁誘導を利用します。1次コイルの電圧 V₁、巻き数 N₁、2次コイルの電圧 V₂、巻き数 N₂ として V₁/V₂ = N₁/N₂。送電線で電圧を高くして電流を小さくすることで、I²R のジュール熱損失を減らせます。
電磁誘導の応用: IH クッキングヒーター(誘導加熱)、非接触充電(スマートフォン)、MRI(核磁気共鳴)など現代技術の根幹です。
- 右ねじの法則: 電流→周囲の磁場の向き
- 左手: 電流×磁場 → 力(モーター)
- 右手: 導体の動き×磁場 → 誘導電流(発電機)
- F = BIL
- 電磁誘導: 磁束変化 → 誘導起電力
- レンツの法則: 変化を妨げる向き
- 変圧器: V₁/V₂ = N₁/N₂
注意点 (混同しやすい)
① 左手(力を受ける・モーター)と右手(誘導電流・発電機)を区別する。② レンツの法則: 磁束が増えると打ち消す向き、減ると補う向きの電流が流れる。③ 電磁誘導で重要なのは「磁束の変化」。磁場が一定なら誘導起電力はゼロ。④ F = BIL で B と I は垂直のとき最大。平行なら力はゼロ。
練習
- 磁場 0.5 T、電流 2 A、長さ 0.1 m の導線が磁場と垂直のとき、受ける力を求めなさい。
- レンツの法則を「磁束の変化」と「誘導電流の向き」の関係で説明しなさい。
- 1次側 100 巻き・100 V、2次側 500 巻きの変圧器の2次側の電圧を求めなさい。