交流回路とインピーダンス
交流では抵抗のほかコイル(インダクタ)とコンデンサーが電流を制限します。インピーダンスと位相差が理解の核心です。
基本知識
交流電圧: v = V₀ sinωt(V₀: 最大値、ω = 2πf: 角振動数)
実効値: V_eff = V₀/√2 ≈ 0.707V₀
各素子の交流応答:
① 抵抗 R: Z_R = R、電流と電圧は同位相
② コイル(インダクタ)L: X_L = ωL(誘導リアクタンス)、電流が電圧よりπ/2 遅れ
③ コンデンサー C: X_C = 1/(ωC)(容量リアクタンス)、電流が電圧よりπ/2 進む
RLC 直列回路のインピーダンス:Z = √(R² + (X_L − X_C)²)
位相差 tanφ = (X_L − X_C)/R
共振条件(X_L = X_C):ω₀ = 1/√(LC)、このとき Z = R で電流最大。
実効値(直流との等価電力を与える交流の値。V_eff = V₀/√2)
インピーダンス Z(交流回路の全電流制限量。単位 Ω)
リアクタンス(コイル X_L = ωL、コンデンサー X_C = 1/(ωC))
位相差(電流と電圧の時間的なズレ。コイルは遅れ、コンデンサーは進み)
共振(X_L = X_C のとき。Z 最小・電流最大)
深掘り (背景・意義)
インピーダンスは複素数(フェーザー)で表すと Z = R + j(X_L − X_C) となり、オームの法則 V = ZI が複素数の形で成立します。これが交流回路解析の強力なツールです。
共振(直列共振)では電流が最大になり、電圧 V_L や V_C が電源電圧より大きくなることがあります(電圧共振)。ラジオの選局はこの原理: LC 回路の共振周波数を変えることで特定の電波だけを選択します。
有効電力(実際に消費される電力)P = V_eff I_eff cosφ。cosφ を力率といいます。純粋な L や C では φ = ±π/2 なので力率 = 0(電力消費なし)。
- 実効値: V_eff = V₀/√2
- X_L = ωL(周波数が高いほど大)
- X_C = 1/(ωC)(周波数が低いほど大)
- Z = √(R² + (X_L − X_C)²)
- 共振: ω₀ = 1/√(LC)、Z = R 最小
- コイル: 電流遅れ、コンデンサー: 電流進み
- 有効電力: P = V_eff I_eff cosφ
注意点 (混同しやすい)
① X_L は周波数が高いほど大(コイルは高周波を通しにくい)、X_C は低いほど大(コンデンサーは低周波を通しにくい)。② 共振では Z = R(最小値)で電流が最大。③ 位相差の符号: X_L > X_C のとき電圧が電流より進む(誘導性)。④ 実効値と最大値の関係 √2 を混同しない。
練習
- R = 30 Ω、X_L = 60 Ω、X_C = 20 Ω の直列回路のインピーダンスを求めよ。
- 最大電圧 141 V の交流の実効値を求めよ(√2 ≈ 1.41)。
- LC 回路で L = 1.0 mH、C = 10 μF のとき、共振角振動数を求めよ。