高校発展 / 力と運動 2 / 6

放物運動

放物運動

水平方向に投げ出した物体や斜めに投げ上げた物体の軌跡は放物線になります。水平・鉛直の独立性が鍵です。

基本知識

放物運動は水平方向(等速直線運動)鉛直方向(自由落下・等加速度運動)の合成です。

水平投射(初速 v₀ を水平方向に与える):
・水平: x = v₀t(加速度 = 0)
・鉛直: y = ½gt²(初速度 = 0、下向き正)
・速度: vₓ = v₀、vᵧ = gt

斜方投射(初速 v₀ を角度 θ で投げ上げる):
・水平: x = v₀cosθ · t
・鉛直: y = v₀sinθ · t − ½gt²
・水平到達距離(水平面に戻る): R = v₀²sin2θ / g
・最高点での速度: 水平成分のみ v₀cosθ(鉛直成分 = 0)

📘 重要公式
水平投射: x = v₀t、y = ½gt²
斜方投射到達距離: R = v₀²sin2θ / g
最大射程角: θ = 45°(sin90° = 1 のとき最大)
最高点での速度: vᵧ = 0 → 速度は v₀cosθ(水平のみ)
飛行時間: t = 2v₀sinθ / g(y = 0 の条件から)

深掘り(背景・意義)

放物運動では水平と鉛直が完全に独立しているため、座標軸ごとに別々に運動方程式を立てるのが正攻法です。これは「運動の独立性」と呼ばれ、ガリレオが実験で確認した重要な原理です。
到達距離の式 R = v₀²sin2θ / g から、θ = 45° で最大となり、θ と 90° − θ(補角)の射程は等しくなります(例: 30° と 60° の飛距離は同じ)。入試でよく問われる性質です。
最高点では鉛直速度 vᵧ = 0 になりますが、水平速度は変わらず v₀cosθ のままです。この瞬間、加速度は依然 g(鉛直下向き)が働いています(速度ゼロでも加速度はゼロではない)。
実際の砲弾や競技での投てきでは空気抵抗のため最適角は 45° より小さくなりますが、真空中では厳密に 45° です。

💡 ポイント
  • 水平:等速直線運動(加速度ゼロ)
  • 鉛直:等加速度運動(加速度 g 下向き)
  • 2方向を独立に解く
  • 最高点で vᵧ = 0(水平速度は残る)
  • 最大射程 θ = 45°
  • θ と (90°−θ) の射程は同じ
  • 時間 t を介して x・y を連立する

注意点(混同しやすい)

① 最高点で速度ゼロと勘違いしない。鉛直速度がゼロなだけで、水平速度は残る。② 最高点でも加速度は g(重力は常に下向きに働く)。③ 「水平投射」は θ = 0 の特殊ケース。公式の統一理解を。④ 符号の取り方(上向き正か下向き正か)を問題の最初に決めて一貫させる。

練習

  1. 初速 20 m/s で水平投射した物体が、2.0 s 後の水平・鉛直位置を求めよ(g = 10 m/s²)。
  2. 初速 v₀、角度 θ で斜方投射したとき、飛行時間を求めよ。
  3. 射程が最大になる投射角は何度か、また同じ射程を与える別の角度は何度か(θ = 30° の場合)。

このレッスンのQ&A

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