高校基礎 / 気象現象と天気の変化 3 / 6

温帯低気圧と台風

温帯低気圧と台風

日本付近の大雨・強風をもたらす主役である温帯低気圧台風は、構造と発生メカニズムが大きく異なります。

基本知識

温帯低気圧: 中緯度帯で発達し、前線を伴います。暖気と寒気の衝突によるエネルギーで発達します。天気図上では渦巻き状の等圧線と、南西〜南東方向に伸びる前線が特徴です。
台風: 熱帯の海面(海水温26℃以上)で発生する熱帯低気圧が発達し、最大風速が17.2m/s以上になったもの。前線を伴わず、等圧線がほぼ同心円状の渦を描きます。エネルギー源は温暖な海面からの水蒸気の蒸発・凝結。
台風の風の構造: 台風の進行方向の右側が特に危険です。これは台風自身の風速に移動速度が加算されるため。中心付近の台風の眼は静穏で晴れていますが、眼の周囲の眼壁では最も風雨が激しくなります。

📘 重要用語
温帯低気圧(前線を伴う中緯度の低気圧。暖気と寒気の衝突で発達)
熱帯低気圧(熱帯海上で発生。海面水蒸気をエネルギー源とする)
台風(最大風速17.2m/s以上の熱帯低気圧。北西太平洋・南シナ海)
台風の眼(中心の静穏域。眼の周囲で最大風速・最大降雨)
危険半円・可航半円(台風進路右側=危険半円、左側=可航半円)
温帯低気圧化(台風が中緯度に移動し前線を持ち始める変質過程)

深掘り (背景・意義)

台風は年間平均約25〜26個発生し、そのうち約10〜11個が日本に影響を与えます。発生しやすい海域はフィリピン東方〜マリアナ諸島付近です。台風は貿易風に乗って北西方向に進み、日本付近の偏西風帯に入ると北東方向へ転向します。
台風は水蒸気の凝結熱がエネルギー源のため、陸上に上陸して海面から切り離されると急速に衰弱します。また、日本付近で前線と合体すると温帯低気圧に変質しますが、このとき「台風並みの暴風域」が拡大することがあります。
2019年台風19号(ハギビス)はM≒風速60m/sに達し、関東・東北で甚大な洪水被害をもたらしました。線状降水帯(次々と発生する積乱雲が帯状に並ぶ現象)も近年多くの災害を引き起こしています。

💡 ポイント
  • 台風=前線なし・同心円状等圧線・最大風速17.2m/s以上
  • 温帯低気圧=前線あり・暖気×寒気
  • 台風のエネルギー源=水蒸気の凝結熱
  • 台風の眼=中心静穏域
  • 進行方向右側が危険半円
  • 海面水温26℃以上で発達
  • 陸上に上陸すると水蒸気が補給されず衰弱

注意点 (混同しやすい)

① 台風は前線を伴わない。温帯低気圧に変質すると前線を持つ。② 台風の眼は静穏だが、眼壁は最も危険。③ 「危険半円」は進行方向の右側(北半球)。④ 最大風速17.2m/sは10分間平均風速で定義される。

練習

  1. 台風と温帯低気圧の最大の構造的違いを1つ挙げなさい。
  2. 台風の進行方向の右側を何というか。
  3. 台風のエネルギー源は何か。
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このレッスンのQ&A

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