交雑実験と検定交雑
メンデルの法則を実験的に検証・応用する手法が交雑実験です。特に検定交雑(テストクロス)は未知の遺伝子型を決定する強力な手法として、農業育種から遺伝子マッピングまで広く使用されます。さまざまな遺伝様式とその識別法を学びましょう。
基本知識
検定交雑(テストクロス): 表現型上「優性」を示す個体の遺伝子型がホモ(AA)かヘテロ(Aa)かを判定するため、劣性ホモ(aa)の個体と交配する。①子がすべて優性→親はAA。②子に優性:劣性=1:1→親はAa。農業育種で純系を確認するために必須。
不完全優性(共優性): F₁が優性・劣性どちらとも異なる中間形質を示す場合。例: 赤花(RR) × 白花(rr) → ピンク花(Rr)。F₂では赤:ピンク:白=1:2:1。共優性: ヘテロ接合体が両方の形質を同時に示す。例: ABO血液型のIᴬIᴮ型=AB型。
致死遺伝子: ホモ接合になると致死となる遺伝子。例: 黄色マウスのアグーチ遺伝子(Ayay=黄色・Ay Ay=胎生致死)→黄色:野生型=2:1(3:1のはずが致死個体が消える)。
複数遺伝子の相互作用: 補足作用(2遺伝子が揃って初めて表現)・被覆作用(epistasis)(一方の遺伝子が他方の発現を抑制)・累加作用(複数遺伝子が同じ形質に量的に寄与)。これらにより9:3:3:1以外の分離比が生じる。
例題
優性表現型の個体Xをテストクロスした結果、優性:劣性=1:1の子が生まれた。Xの遺伝子型を答え、この結果を分離の法則と結びつけて説明しなさい。
解答: Xの遺伝子型はAa(ヘテロ接合体)。テストクロス相手はaa。Aaとaaの交配ではA配偶子とa配偶子の各1/2が受精→Aa(優性表現型):aa(劣性表現型)=1:1。これは分離の法則でAaの配偶子形成時にAとaが等頻度で分離することを直接示している。
優性表現型の個体Xをテストクロスした結果、優性:劣性=1:1の子が生まれた。Xの遺伝子型を答え、この結果を分離の法則と結びつけて説明しなさい。
解答: Xの遺伝子型はAa(ヘテロ接合体)。テストクロス相手はaa。Aaとaaの交配ではA配偶子とa配偶子の各1/2が受精→Aa(優性表現型):aa(劣性表現型)=1:1。これは分離の法則でAaの配偶子形成時にAとaが等頻度で分離することを直接示している。
ポイント
- テストクロス=劣性ホモ(aa)と交配して遺伝子型判定
- テストクロス結果: 全優性→AA / 1:1→Aa
- 不完全優性=F₁が中間形質・F₂は1:2:1
- 共優性=ヘテロ接合体で両形質が同時発現(AB型血液型)
- 致死遺伝子=ホモ致死で分離比がずれる
- 被覆作用(Epistasis)=一遺伝子が他を覆い隠す
- 補足作用=2遺伝子が揃って初めて形質が現れる
注意点
① テストクロスの相手は必ず劣性ホモ(aa)でなければならない。② 不完全優性では優性・劣性の区別が不明確になるので遺伝子型と表現型の対応を正確に書く。③ Epistasisの方向性(どちらが被覆するか)によってF₂の比が12:3:1・9:3:4・15:1などさまざまに変わる。
練習
- 検定交雑(テストクロス)の手順と、その結果から遺伝子型を判定する方法を説明しなさい。
- 不完全優性の場合のF₂の分離比を、完全優性の場合と比較して述べなさい。
- 致死遺伝子が存在する場合に通常の3:1の分離比がずれる理由を説明しなさい。