高校発展 / 生殖と遺伝 3 / 6

連鎖と組換え価

連鎖と組換え価

同一染色体上にある遺伝子は連鎖しており、独立の法則から外れた遺伝をします。しかし減数分裂時の乗換え(クロスオーバー)によって連鎖した遺伝子が分離する組換えが起こります。組換え価(組換え頻度)は遺伝子間の距離を反映し、染色体地図(遺伝子地図)の作成に使われます。

基本知識

連鎖の概念: 同一染色体上の遺伝子は一緒に遺伝する傾向がある。完全連鎖(乗換えなし)の場合、二遺伝子座のF₁(AaBb)×aabb の結果は1:1(組換えなし)ではなく親型のみ。

乗換え(Crossing Over)と組換え: 第一減数分裂の前期に相同染色体がシナプシス(対合)し、キアズマ(交差点)が形成される。キアズマを通じて染色分体の一部が交換され(乗換え)、新しい組み合わせの組換え型配偶子が生じる。

組換え価(組換え頻度): = (組換え型配偶子数) / (全配偶子数) × 100 [%]。遺伝子間の距離が離れるほど乗換えが起こりやすく組換え価が大きくなる。組換え価の最大は50%(独立の法則と同じ)。1 cM(センチモルガン, centimorgan)=組換え価1%の距離。

三点テストクロスと遺伝子地図: 3つの連鎖遺伝子座のテストクロス結果から、それぞれの遺伝子間の組換え価を算出して地図距離を決定する。最も少ない組換え型が二重交差体で、遺伝子の順序決定に使われる。

例題
二遺伝子座A・Bを連鎖させたF₁(Ab/aB)をaabb個体とテストクロスした結果、AB: Ab: aB: ab = 40: 460: 450: 50 (計1000個体)だった。組換え価と遺伝子地図距離を求めなさい。
解答: 親型= Ab と aB (各450)、組換え型= AB と ab (各40+50=90)。組換え価= 90/1000 × 100 = 9%。したがって A-B 間の地図距離= 9 cM。
ポイント
  • 連鎖=同一染色体上の遺伝子は一緒に遺伝する傾向
  • 乗換え=減数分裂前期に相同染色体間でキアズマ形成
  • 組換え価=組換え型/(全配偶子)×100%
  • 組換え価最大=50%(独立と区別がつかない)
  • 1 cM=組換え価1%の遺伝子地図距離
  • 三点テストクロス=3遺伝子の順序と距離を決定
  • 二重交差体=最も少ない組換え型・遺伝子順序決定の鍵

注意点

① 組換え価が大きい(50%に近い)ほど遺伝子間の物理的距離が大きいが、50%を超えることはない。② 連鎖している遺伝子でも組換え価が50%なら独立の法則と区別できない。③ 乗換えの頻度は染色体の特定の部位(Hot Spot)で高く、一様ではない。

練習

  1. 乗換え(クロスオーバー)が起こる時期と、その結果として生じる配偶子の種類を説明しなさい。
  2. 組換え価の計算式を示し、組換え価と遺伝子間距離の関係を述べなさい。
  3. 三点テストクロスで「最も少ない組換え型」が遺伝子の順序決定に重要な理由を説明しなさい。
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このレッスンのQ&A

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