先カンブリア時代と生命の誕生
地球誕生から約40億年間にわたる先カンブリア時代は、地球環境が整備され生命が誕生・進化した時代です。大気組成の変化と生物の進化は密接に絡み合っています。
基本知識
地球は約46億年前に原始太陽系円盤の微惑星衝突・集積により形成されました。最初期の地球はマグマオーシャン(全球的な岩石融解)状態でした。その後冷却が進み、約44億年前には液体の水が存在したことがジルコン結晶の証拠から示されています。
最古の生命の証拠は約38〜40億年前の地層に残る化学的バイオマーカー(炭素同位体比異常)です。初期の生命は原核生物(細胞核を持たない)で、酸素を必要としない嫌気性生物でした。約27億年前ごろにはシアノバクテリア(藍藻)が出現し、光合成によって酸素を大気に放出し始めます。
約24〜22億年前の大酸化事変(GOE)で大気酸素濃度が急上昇しました。酸素は当初、海水中の鉄イオンと結合して縞状鉄鉱層(BIF)として沈殿しました。その後、酸素が飽和した海水から大気へと酸素が蓄積されました。約21億年前には真核生物(細胞核を持つ)が出現しました。約6〜7億年前には全球凍結(スノーボールアース)が複数回起き、その後に多細胞生物が急速に多様化しました。
例題
縞状鉄鉱層(BIF)が形成されるのはどのような過程によるか説明しなさい。
解答: シアノバクテリアが光合成で放出した酸素が、海水中に溶解していた二価鉄イオン(Fe²⁺)と反応して酸化鉄(Fe₂O₃)として沈殿する。酸素放出量が多い時期と少ない時期で縞模様が形成される。
縞状鉄鉱層(BIF)が形成されるのはどのような過程によるか説明しなさい。
解答: シアノバクテリアが光合成で放出した酸素が、海水中に溶解していた二価鉄イオン(Fe²⁺)と反応して酸化鉄(Fe₂O₃)として沈殿する。酸素放出量が多い時期と少ない時期で縞模様が形成される。
ポイント
- 地球形成:約46億年前・微惑星集積・マグマオーシャン
- 最古の液体水の証拠:約44億年前のジルコン結晶
- 最古の生命:約38〜40億年前(化学的証拠)
- シアノバクテリア出現:約27億年前・光合成で酸素放出
- 大酸化事変(GOE):約24〜22億年前・大気酸素急増
- 縞状鉄鉱層(BIF):GOE期の鉄-酸素沈殿物・鉄鉱石の主産地
- スノーボールアース:約6〜7億年前・全球凍結
注意点
① 大酸化事変はシアノバクテリアによる光合成が蓄積した結果であり、単一のイベントではなく段階的プロセス。② BIFは酸素が増えた証拠だが、最初は海中の鉄に消費されるため大気への酸素蓄積はやや遅れる。③ スノーボールアース後に生物が急増した理由は、全球凍結が解けた後の栄養塩急増や環境選択圧として説明される。
練習
- シアノバクテリアが地球の大気組成に与えた影響を述べなさい。
- 大酸化事変(GOE)はおよそ何億年前に起きたか。
- スノーボールアースとはどのような現象か。