中学 / 生態系と環境 3 / 6

土の中の生物・微生物の観察

土の中の生物・微生物の観察

足元の土には目には見えない小さな生命がぎっしり詰まっています。落ち葉が消えていく不思議のしくみを観察を通じて理解しましょう。

基本知識

土の中の小さな生物(肉眼〜虫眼鏡で見える):
ダンゴムシ・ワラジムシ(節足動物、甲殻類): 落ち葉を食べる。
ミミズ(環形動物): 土を食べ・通気を良くし・肥沃にする「土の耕し手」。
トビムシ・ダニ: 落ち葉を細かくする。
クモ・ムカデ・ヤスデ: 他の小動物を食べる消費者。
これら土壌動物は消費者として落ち葉を細かく砕きます。
微生物(顕微鏡が必要):
菌類(カビ・キノコ): 落ち葉の表面に菌糸を張って分解。
細菌類(バクテリア): 究極の分解者。1g の土に数十億個。
実験例: 微生物のはたらきを調べる
① 落ち葉付き土壌を入れたビーカーAと、加熱して微生物を殺した土壌を入れたビーカーBを用意。
② どちらにもデンプン溶液を入れる。
③ 数日後にヨウ素液を加える。
結果: Aは色が変わらない(デンプンが分解された)。Bは青紫(デンプンが残っている)。
→ 微生物が有機物を分解した証拠。

📘 重要用語
土壌動物(土の中にすむ小さな動物。ダンゴムシ・ミミズ等)
微生物(顕微鏡が必要な小さな生物。菌類・細菌類)
ヨウ素液(デンプンに反応して青紫色になる試薬)
対照実験(条件を1つだけ変えて比較する実験方法)
腐葉土(落ち葉が分解されてできた土壌。栄養豊富)
堆肥(コンポスト)(有機物を微生物に分解させて作る肥料)

深掘り (背景・意義)

落ち葉1枚が土に還る過程は、まずダンゴムシやミミズなどの土壌動物が物理的に砕き(消化管を通る間にさらに細かくなる)、次に菌類がセルロースを分解し、最後に細菌類がさらに細かい有機物・無機物にまで分解する、というリレー方式で進みます。
森の土が豊かな理由: 何百年もかけて落ち葉が積もり、微生物が分解して腐葉土となり、植物が育ちます。森が破壊されると、土の生態系も壊れ、回復に長い時間がかかります。
身近な微生物の利用:
納豆菌: 大豆を発酵して納豆に
麹菌: 米麹→日本酒・味噌・しょう油
乳酸菌: ヨーグルト・チーズ・漬物
酵母: パン・ビール・ワイン
青カビ: ペニシリン(抗生物質)の生産
大腸菌: 遺伝子組換え実験の宿主
生物の分解作用は、農業の堆肥(コンポスト)、生ゴミ処理、下水処理場の浄化にも利用されています。SDGs目標12(つくる責任つかう責任)にも関わる現代的なテーマです。

💡 ポイント
  • 土壌動物=ダンゴムシ・ミミズ・トビムシ等
  • 微生物=菌類(カビ)・細菌類(バクテリア)
  • 分解の順: 土壌動物が砕く→菌類→細菌類
  • 対照実験: 加熱したものと比較
  • ヨウ素液+デンプン=青紫色
  • 身近な発酵: 納豆・味噌・ヨーグルト・パン・酒
  • 堆肥(コンポスト)で生ゴミを資源に

注意点 (混同しやすい)

土壌動物(消費者)と微生物(分解者)は別の役割。② カビ・キノコは植物ではなく菌類(光合成しない、分解で栄養を得る)。③ 対照実験では条件を「1つだけ」変えるのがコツ。④ 発酵腐敗は、ヒトにとって有用なら発酵、有害なら腐敗──微生物のはたらき自体は同じ。

練習

  1. 落ち葉や死がいを物理的に砕く役割を果たす、土の中の小動物を1つ挙げなさい。
  2. 微生物のはたらきを調べる対照実験で、片方の土壌を加熱するのはなぜか。
  3. 納豆を作るときにはたらく微生物の名前を答えなさい。
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このレッスンのQ&A

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