生物多様性と外来種
地球上には数百万種の生物がいて、互いに関わり合いながら生きています。この豊かさを生物多様性と呼び、人間の活動によって失われつつあります。
基本知識
生物多様性: 生物の種類が多く、それぞれが複雑な関係を持っていること。3つのレベルがある:
① 種の多様性: 多くの種類の生物がいること。
② 遺伝子の多様性: 同じ種でも個体ごとに遺伝情報が違うこと。
③ 生態系の多様性: 森・川・海・湿地など様々な生態系があること。
絶滅危惧種: 数が減って絶滅のおそれがある種。日本ではレッドリストに掲載される。
例: ニホンライチョウ、ニホンカワウソ(2012年絶滅指定)、トキ、コウノトリ、アホウドリ、アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナなど。
外来種(外来生物): もともとその地域にいなかったのに、人間によって持ち込まれた生物。特定外来生物として法律で規制されているものがある。
例: アメリカザリガニ・ウシガエル・ブラックバス・ブルーギル・アライグマ・マングース・セイヨウタンポポ・オオハンゴンソウなど。
外来種は在来種を捕食したり、競合したり、病気を持ち込むなどして、生態系のバランスを崩します。
生物多様性(種・遺伝子・生態系の3レベルの多様さ)
絶滅危惧種(絶滅のおそれがある種。レッドリスト掲載)
在来種(昔からその地域にすんでいる生物)
外来種(外来生物)(人為的に持ち込まれた他地域の生物)
特定外来生物(生態系への被害が大きく法律で規制される外来種)
レッドリスト(絶滅危惧種をまとめたリスト。環境省が公表)
深掘り (背景・意義)
外来種被害の具体例:
・マングース(沖縄・奄美): ハブ駆除目的で導入→アマミノクロウサギなど在来種を捕食。現在は駆除事業中。
・ブラックバス・ブルーギル(全国の湖沼): スポーツフィッシング目的で放流→在来魚を食い荒らす。
・アライグマ(全国): ペット由来→農作物被害・寺社の屋根裏侵入。
・ヒアリ(港湾): 外国船からの侵入→強い毒で人体被害も。
・セイタカアワダチソウ・オオキンケイギク: 在来植物を駆逐。
生物多様性の意義:
① 生態系サービス: 食料供給、空気・水の浄化、土壌の維持、薬の原料、観光資源など。生物多様性は人間の生存基盤。
② 遺伝資源: 品種改良や医薬開発に必要。多様性があれば新薬の発見も増える。
③ 環境変化への抵抗力: 多様な生物がいれば、災害や病気でも生態系が崩壊しにくい。
国際的な取り組み:
・ラムサール条約(1971): 湿地と渡り鳥の保護。
・ワシントン条約(1973): 絶滅危惧種の国際取引規制。
・生物多様性条約(1992): リオ地球サミットで採択。
・愛知ターゲット(2010, 名古屋でのCOP10): 生物多様性目標。
- 生物多様性=種・遺伝子・生態系の3レベル
- 絶滅危惧種=レッドリスト掲載(環境省)
- 外来種=人為的に持ち込まれた他地域の生物
- 特定外来生物=法律で規制(運搬・飼育禁止)
- 例: ブラックバス・アライグマ・ヒアリ・マングース
- 生態系サービス=食料・水・空気・薬
- ラムサール条約・ワシントン条約・生物多様性条約
注意点 (混同しやすい)
① 在来種(もとからいる)と外来種(持ち込まれた)を区別。外国産でなくても、別地域から人為的に持ち込まれたら外来種。② 外来種すべてが悪ではなく、生態系被害を起こすものを侵略的外来種として特に問題視。③ 絶滅危惧種は「IA類・IB類・II類」など段階がある。④ ラムサール条約=湿地、ワシントン条約=国際取引、生物多様性条約=包括的(リオ1992)と、3条約を混同しない。
練習
- 生物多様性の3つのレベルをすべて答えなさい。
- 絶滅のおそれがある生物をまとめたリストを何というか。
- 外来種が生態系に与える悪影響を1つ挙げなさい。